
スパン糸とフィラメント糸の基本的な違いとは?
布地や繊維製品を見るときに、よく「スパン糸」と「フィラメント糸」という言葉を耳にします。スパン糸とフィラメント糸は繊維の形状や製法に大きな違いがあります。
スパン糸は短い繊維(数センチ程度)を何本も集めて糸にしたもので、主に綿やウール、アクリルなど、切れた繊維を紡いで作られます。これに対して、フィラメント糸は長く連続した1本の繊維でできており、絹やポリエステルのような合成繊維などに使われます。
簡単に言うと、スパン糸は綿や短い繊維をまとめて糸にし、フィラメント糸は長い繊維そのものを糸として使います。
スパン糸とフィラメント糸の特徴とメリット・デメリット
スパン糸はふんわりした柔らかい風合いが特徴で、肌触りがよいため洋服などで多く使われます。ただし、繊維が短いため摩擦で毛羽立ちやすかったり、耐久性はやや劣ります。
一方、フィラメント糸は長い繊維でできているため、滑らかでツルツルした質感があり、強度が高く耐久性に優れています。シルクのように光沢感もあり、高級感のある生地に使われることが多いです。ただし通気性はスパン糸に比べてやや劣ることがあります。
下の表にまとめましたので、違いを確認してみましょう。
スパン糸とフィラメント糸の選び方や使い分けのポイント
どちらの糸を選ぶかは、用途や求める質感によって変わります。
例えば、肌に優しい柔らかい服が欲しいときはスパン糸の製品が向いています。ふんわり暖かく、普段着などのカジュアルな服に多く使われます。
逆に、光沢があり滑らかなドレスやストッキング、生地に強さを求める場合はフィラメント糸が適しています。耐久性があり、見た目に高級感が出るためフォーマルなシーンに人気です。
繊維の特徴を理解して、自分の用途や好みに合った糸を選ぶことが大切です。また、混紡糸というスパン糸とフィラメント糸を組み合わせた糸もあり、それぞれのいいところを活かした製品も増えています。
みなさんは「フィラメント糸」がどれくらい長いかご存じですか?なんと、絹のフィラメント糸は一本で数百メートルにもなります! これは、繭から引き出される長い絹糸だからこそできること。まるで蜘蛛の糸のように細くて長いので、生地は滑らかで美しい光沢があるんです。実は、この長さの差が製品の手触りや強度に大きく影響しているんですね。
こんな風に、フィラメント糸の長さの秘密を知ると、着る服や布の見方がちょっと変わるかもしれませんよ!