
乳児院と保育園の基本的な違い
乳児院と保育園はどちらも小さな子どもを預かる施設ですが、その目的や対象となる子どもの状況には大きな違いがあります。
乳児院は、家庭での養育が難しい乳児を専門に預かり、保護と成長支援をする施設です。家庭環境に問題があり、一時的または長期的に保護が必要な乳児が対象となります。一方、保育園は仕事などで保護者が子どもの世話ができない場合に日中だけ子どもを預かる施設で、主に一般の子どもたちが通います。
つまり、乳児院は子どもの福祉を中心にしており、保育園は保護者の就労支援を中心にしているのです。
これらの違いは、対象年齢や保育内容にも表れます。
対象年齢と利用条件の違い
乳児院は主に0歳から2歳くらいまでの赤ちゃん(関連記事:子育てはアマゾンに任せよ!アマゾンのらくらくベビーとは?その便利すぎる使い方)が対象です。家庭での養育が困難な状況にあるため、社会福祉法の基づき運営されています。入所には自治体の審査が必要で、児童相談所などからの申し込みが多いです。
対して保育園は、0歳から小学校入学前までの子どもが対象で、保護者の仕事や病気、その他の理由で日中に子どもの世話ができない場合に利用します。自治体へ申し込みをして許可されると通えます。
つまり、乳児院は特別な事情がある子どもが入所する施設で、保育園は通常の子どもが通う施設と覚えておくと良いでしょう。
保育内容や役割の違い
乳児院の役割は、単に子どもを預かるだけでなく、愛情豊かに育て、心身の健やかな発達を支援することにあります。専門のスタッフが生活全般の世話をし、発達に遅れがあれば適切なサポートを行います。また、必要に応じて家庭復帰や里親制度への橋渡しも行います。
一方、保育園は保護者の就労支援を目的としているため、日中の子どもの安全と健康を守りながら集団生活の中で社会性を育成します。教育的要素も含まれ、遊びや学びの時間を通じて子どもの発達を助けます。
このように、乳児院は福祉施設としての役割が特に強く、保育園は教育と保育の両方の側面を持つ施設です。
乳児院と保育園の違いを比較した表
社会福祉法に基づく
乳児院では、ただ子どもを預かるだけでなく、その子どもが健やかに育つための専門的なケアがされています。例えば、子ども一人ひとりの状態に合わせて栄養管理や心理的なサポートが行われ、時には家庭復帰の準備や里親への委託といった将来の生活設計支援も行っています。乳児院が子どもの成長を全面的に支える重要な施設であることは、意外と知られていないかもしれませんね。仕事のための一時的な預かりとはまったく違う、福祉の専門施設だということを知っておくと、これからの子育て支援や福祉の話題に深みが出ます。ぜひ覚えておいてください。
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