
リトグラフと版画の基本的な違いとは?
まずはじめに、リトグラフと版画の違いについて簡単に説明します。
リトグラフは「石版画」とも呼ばれ、石や金属の版に特殊な技術で絵を描き、それを使って印刷を行う技法です。一方、版画はもっと広い意味で使われ、木版画や銅版画、リトグラフなど多くの種類のプリント技法の総称を指します。
簡単に言うと、リトグラフは版画の一つの技法という位置づけです。
リトグラフは油と水のはじき合いを利用している特殊な方法で、細かい絵も表現しやすいのが特徴です。
版画はもっと幅広い技法が含まれ、彫ったり、腐食させたり、版を作り複製する方法が様々なのです。
それぞれの特徴を理解することで、自分の好みに合ったアートに出会いやすくなります。
たとえば、リトグラフは石の版を使うため、滑らかな線や柔らかい表現が得意です。版画は使う版や技法によって、独特の質感や味わいが変わってきます。
写真や絵を大量に複製したい場合はリトグラフが適していり、自分で彫る楽しみを味わいたいなら木版画などの版画技法もおすすめです。
リトグラフと版画の技法や作り方の違い
リトグラフの作り方は、石または金属の平らな版を用意して、そこに油性の絵具で直接描き込みます。
その上から水をかけると、水は絵が描かれていない部分には浸透し、油絵の部分には浸透しません。印刷の際、油性のインクを付けると、水の部分にはインクが付かず、油の絵の部分だけが印刷される仕組みになっています。
この技法は油と水の性質を利用した独特のものです。
版画の作り方は、木版画、銅版画、リトグラフなど多岐にわたります。
例えば、木版画は木を彫刻刀で彫り、凹凸を作って版を作ります。凹んだ部分にはインクがつかず、凸の部分にインクを付けて紙に押し付けて印刷します。
銅版画は金属の板に酸などで腐食を加えることで絵模様を作り、そこにインクを詰めて印刷します。
つまり版画は、版を凹ませたり彫ったりして、版の凹凸で絵を表現する技法が多いです。
以下の表でリトグラフと主な版画技法の違いを比べてみましょう。
「リトグラフ」という言葉はあまり日常生活で耳にしないかもしれませんが、実は「石版画(せきばんが)」のことを指しています。石に直接描くなんて不思議ですよね!この技法が発明されたのは18世紀末のヨーロッパで、当時の印刷技術に革命をもたらしました。油と水の仲の悪さを上手に使っているのがポイント。リトグラフはアルフォンス・ミュシャなどのアール・ヌーヴォーの名作にも使われていて、滑らかで柔らかい線が特徴的です。だから個性的なポスターや複雑なイラストを大量に作るのにピッタリなんですよ。石の版だから、ちょっと気を抜くと割れたり傷が付いたりするんですけど、その繊細さも魅力ですね。