
オートクチュールとクチュールの基本的な違い
ファッションの世界でよく使われる言葉に「オートクチュール」と「クチュール」があります。どちらも高級な洋服作りに関係していますが、実は意味が少し違います。まず、「クチュール」はフランス語で「仕立て」を意味し、特に高品質で手作業による洋服の制作を指します。幅広く使われる言葉で、既製服に対して特別な注文を受けて作られる服もクチュールと呼べます。
一方、「オートクチュール」は「高級注文服」の意味で、フランスのパリで厳しい基準を満たしたブランドだけが名乗れる特別な呼び名です。つまり、「オートクチュール」はクチュールの中でも最も高品質で豪華なジャンルなのです。
このように、オートクチュールはクチュールの中の一部であり、両者の主な違いは品質や制作の厳密さ、ブランド認定の有無にあります。
オートクチュールの特徴と日本での認識
オートクチュールは特に手間ひまをかけた一点物の服を意味します。パリにあるファッションハウスがパリ・オートクチュール協会の厳しい基準を満たすことが条件で、年間に数回、デザイナーが新作を発表しお客様の注文に応じて作ります。制作は必ず複数のフィッティング(試着調整)が行われ、布の選択から刺繍やレース、ビーズ装飾など細部まで全て手作業です。
そのため価格は数百万円から数千万円にもなり、まさに世界で最も贅沢な服と言えるでしょう。
一方、日本では「クチュール」という言葉はファッション業界だけでなく、美容室の名称や一般的な「おしゃれで高級そうな服」の意味でも使われることがあります。そのためオートクチュールの正確な意味が伝わりにくいこともあります。
クチュールの意味の広がりと使い分け
クチュール単独の言葉は、「仕立て服」や「高級仕立て」の意味合いで使われます。
既製服とは違い既に用意されたサイズで販売するのではなく、注文主の体型や好みに合わせてひとつひとつ作った服がクチュールと言えます。
オートクチュールほどの厳密な基準はありませんが、国内外の高級ブランドはオートクチュールと区別しながらこのクチュールという言葉を使い分けています。
下記はオートクチュールとクチュールの基本的な違いをまとめた表になります。
ポイント | オートクチュール | クチュール |
---|---|---|
意味 | 高級注文服(パリ認定基準あり) | 仕立て服(注文に応じた高級服) |
制作方法 | 完全手作業でフィッティング複数回 | 手作業中心で体型に合わせて作る |
価格 | 数百万円〜数千万円 | 高級だがオートクチュールより安価 |
ブランド | 限られたパリ協会の認定ブランドのみ | 広く使われている |
以上のように、両者は似ていますがブランドの認定や制作の厳密さと価格帯で違いがあることがわかります。
まとめ:ファッション好きなら知っておきたい違い
今回は「オートクチュール」と「クチュール」の違いについて解説しました。
クチュールは高品質な仕立て服の総称であり、オートクチュールはさらに厳しい条件を満たした最高級の注文服だけをさします。
日常でクチュールという言葉を見かけたら、高級感ある手作り服や細かいこだわりを持った服だと考えて良いでしょう。
そしてもしパリのファッションショーなどで「オートクチュール」と目にしたら、世界でも限られた最高級の服だと理解してください。
ファッションがもっと楽しくなる知識としてお役立ていただければ嬉しいです。
オートクチュールって聞くとすごく高そうで憧れますよね。実は、オートクチュールという言葉自体はフランス語で「高級仕立て服」という意味ですが、特にパリのファッション協会から認定されたブランドだけが正式に名乗れるんです。つまり、世界で特別な存在なんですね。なのに、普段はあまり見かけないのは、注文数がすごく限られているから。まさに芸術品のような服なんですよ。普段着にはまずないとても贅沢な服作りの世界だということがわかります。