
下水場と浄水場の基本的な違い
私たちの生活に欠かせない「水」ですが、その水をきれいに管理する施設として「下水場」と「浄水場」があります。
まず、下水場は人や工場から出る汚れた水(下水)をきれいにする施設です。一方、浄水場は川や湖などの自然の水を飲み水として安全にする施設になります。
このように、どちらも「水をきれいにする」という役割は共通していますが、扱う水の種類と目的が違うのが最大のポイントです。
下水場は使い終わった水を安心して環境に返すための仕組み、浄水場は安全でおいしい水を私たちのもとに届けるための施設と言えます。
下水場の役割と仕組み
下水場は台所やお風呂、トイレから流れてきた汚れた水を処理する施設です。
この処理は大きく分けて、以下のようなステップがあります。
- 大きなゴミや砂を取り除く
- 微生物の力で有機物を分解し汚れを減らす
- 最終的に細菌やウイルスもできるだけ減らし、水質基準をクリア
こうしてきれいになった水は川や海に戻されます。
もし下水の処理が不十分だと、川が汚れたり悪臭が発生したり、さらには健康被害にもつながる危険性があります。だから下水処理はとても大切な仕事です。
浄水場の役割と仕組み
一方、浄水場は川や湖、地下水などの自然水を私たちが安全に飲めるようにきれいにする場所です。
浄水場で行う主な処理は以下の通りです。
- 水に混ざっている砂や落ち葉などの大きな異物を取り除く
- 薬剤を使って細かいゴミや汚れを固めて沈める
- 塩素などで殺菌し、細菌やウイルスを死滅させる
- 味や臭いを改善するための処理も行うことがある
こうして処理された水は水道管を通って私たちの家に届きます。
浄水場のおかげで毎日、安心して水を飲んだり料理に使ったりできるのです。
下水場と浄水場の違いを比較した表
項目 | 下水場 | 浄水場 |
---|---|---|
扱う水 | 家庭や工場から出る汚れた水(下水) | 川や湖、地下水など自然の水(未処理水) |
目的 | 汚れた水をきれいにして環境に戻す | 水をきれいにして安全な飲み水にする |
処理内容 | ゴミ除去・微生物分解・細菌減少 | 異物除去・凝集沈殿・殺菌・味の調整 |
処理後の水の行き先 | 川や海などの自然環境 | 水道管を通じて家庭や施設へ |
健康への関与 | 間接的(環境への負担減少) | 直接的(安全な飲水の提供) |
まとめ
この記事では、下水場と浄水場は水をきれいにする施設でありながら、扱う水の種類と目的が異なることを説明しました。
下水場は使った水を安全に環境へ戻す役割、浄水場は自然水を安全な飲み水に変える役割があります。
どちらも私たちの生活や健康、環境を守るためにとても重要な場所です。これからも日常で水を使うとき、こうした施設のことを少し思い出してみてくださいね。
浄水場で使われる“凝集沈殿”処理は面白いんですよ。細かくて水に溶けている汚れは、そのままだと取り除けません。だから、薬で小さな粒をくっつけて大きな塊を作り、それが水の底に沈みます。この工夫で透明できれいな水が作られているんです。まさに科学の力で水を魔法のように変えている感じですね!
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