
IFRSとUSGAAPとは?基本の違いを知ろう
IFRS(国際財務報告基準)とUSGAAP(米国一般会計原則)は、企業が財務報告を行うときのルールです。
どちらも会社の経済活動を数字で正しく伝えるために使われますが、使われる地域やルールの考え方に違いがあります。
IFRSは世界中で広く使われており、特にヨーロッパやアジアの多くの国で採用されています。
一方、USGAAPはアメリカだけで使われる会計基準です。
この2つの最大の違いは、原則主義かルール主義かという点にあります。
IFRSは原則主義であり、基本的なルールや考え方を示しているため、柔軟に状況に対応できます。
USGAAPはルール主義で、細かいルールがたくさんあり、細部まで厳密に決まっています。
これが両者の使い方や財務報告の形に大きな差を生んでいるのです。
IFRSとUSGAAPの主な違いと重要なポイント
両者を具体的に比べてみると、いくつかの重要な違いが見えてきます。
以下に代表的な違いをまとめました。
項目 | IFRS | USGAAP |
---|---|---|
ルールの性格 | 原則主義、柔軟性が高い | ルール主義、詳細で厳密 |
減価償却方法 | 使用者の状況に応じて柔軟に選べる | 厳格に定められている |
のれんの扱い | 原則として毎年減損テストを実施 | 減損テストのみで償却は不要 |
収益認識 | 5ステップモデルを採用し原則的に認識 | 細かなルールによりケースごとに異なる |
貸倒引当金 | 期待損失モデルで見積もる | 発生主義で引当金設定 |
このように、IFRSは企業が実態にあった会計処理をしやすい仕組みであるのに対し、USGAAPは細かいケースごとの対応策がしっかり決まっています。
そのため、同じ取引でも数字に違いが出やすいという特徴もあるのです。
IFRSとUSGAAPの選び方と今後の動向
では、どちらの会計基準を使うべきかわからない場合、どうすればよいのでしょうか。
国や企業の事情よって異なりますが、海外に事業展開を考えるグローバル企業はIFRSを選ぶケースが多いです。
というのも、IFRSは世界標準とされているため、多くの国で通用するからです。
一方、アメリカ市場を主に狙う企業やアメリカ国内の企業はUSGAAPを使います。
また、
国際的にはIFRSとUSGAAPのルールを近づける努力が続いており、将来的には融合や共通化が進む可能性もあります。
しかし、現段階では違いを理解し、適切に使い分けることが求められます。
まとめると、IFRSは世界的な原則主義の基準、USGAAPはアメリカ独自の細かなルールの基準です。
企業だけでなく、投資家や会計に関心のある人にとっても知っておきたい知識だと言えるでしょう。
「原則主義」と「ルール主義」という言葉は聞き慣れないかもしれませんが、簡単にいうと「どれくらい細かくルールを決めているか」という違いです。
IFRSの原則主義は、大まかなルールだけ決めて自由に運用できるスタイル。
USGAAPのルール主義は、たくさんの細かい規則が決まっていて、それに従わなければならないスタイルです。
この違いのおかげで、IFRSは外国の企業とも共通の理解がしやすく、グローバルにビジネスをするのに向いています。一方で、USGAAPは詳細に決められているため、ルール違反のリスクを減らせるメリットもあるんですよ。