
花崗岩と閃緑岩とは?基本の岩石を知ろう
私たちの身の回りには、いろいろな種類の岩石が存在しています。中でも花崗岩(かこうがん)と閃緑岩(せんりょくがん)は、よく見かける火成岩の種類です。
花崗岩は主にクォーツ(石英)、長石、そして雲母などからできている明るい色の岩です。閃緑岩はそれより少し暗い色の岩で、長石や黒い斜長石やカンラン石が含まれています。
この二つの岩石はどちらも地下深くでマグマがゆっくり冷えて固まった深成岩の仲間ですが、成分や色、使われ方に違いがあります。まずは基本的な特徴を見てみましょう。
見た目や色の違い
花崗岩は一般的に明るいピンク色や薄い灰色が多く、色合いは柔らかく温かみがあります。これは中に入っている長石がピンク色や白色だからです。石英の透明感も特徴で、自然の中で見ると清潔感のある印象を受けます。
一方閃緑岩は緑がかった暗い灰色や黒っぽい色をしています。これはカンラン石や斜長石という鉱物が含まれているためです。見た目は少し重厚で落ち着いた色合いです。山や川沿いの岩場で見かけることもあります。
鉱物の組成と成分の違い
花崗岩と閃緑岩は含まれている鉱物の割合が異なります。
花崗岩は石英(クォーツ)が20~60%程度含まれているのが特徴です。これが花崗岩の硬さや透明感を生み出します。さらに長石が主要成分で、微細な雲母も混ざっています。
閃緑岩は、石英の含有量は5%以下で非常に少なく、その代わりに斜長石とカンラン石、角閃石といった鉱物を多く含むため、全体の色が暗く見えます。マグマの冷え方や成分によってどちらの岩石ができるかが変わります。
主な用途や産地の違い
花崗岩は硬くて見た目も美しいため、建築材料として世界中で使われています。日本でも石碑や建物の外壁、公園のベンチなどに多用されています。耐久性が高いことも人気の理由です。
閃緑岩は強度があり、砕石や土木用の石材として使われることが多いです。また、色が落ち着いているため装飾用の床材や石畳などにも利用されます。ただし、花崗岩ほど装飾性は高くないため、主に実用的な用途に使われることが多いです。
日本では花崗岩は各地で産出し、特に関東や九州で見られます。閃緑岩は北海道の一部地域や中部地方に分布が多いです。
花崗岩と閃緑岩の違いまとめ表
まとめ
花崗岩と閃緑岩は、どちらも地下でじっくり冷えてできた深成岩であることは同じですが、色や鉱物の組成、用途に違いがあります。花崗岩は石英が多く明るい色で装飾性に優れ、閃緑岩は石英が少なく暗めで主に実用的な材料として使われます。
この特徴を知っておくと、自然の岩石を観察するときや石材を選ぶときに役立ちます。ぜひ、身近な場所で両者の違いを探してみてくださいね。
「花崗岩」の魅力といえば、やっぱりその美しい石英の輝きですよね。じつは花崗岩の石英は透明に近く、とても硬い鉱物なのです。だから花崗岩は割れにくく、建物や記念碑によく使われています。でも石英が多すぎると加工が難しいので、バランスが大切なんですよ。自然の力が作り出した芸術品、といった感じがしませんか?