
電力計と電流計って何?まずは基本を押さえよう
<電気に関する機械でよく使われるものに電力計と電流計があります。これらは名前が似ていて混同しやすいですが、役割や測るものが全く異なります。
簡単に言うと、電流計は電気の流れる量(電流)を測定するもので、電力計はその電流と電圧から消費している電気のエネルギー(電力)を測定するものです。どちらも電気の流れを理解し、制御したり節約したりするために重要です。
この記事では、この二つの違いを
・測定しているもの
・使い方
・計測の仕組み
・用途の違い
などの視点から丁寧にわかりやすく解説します。
<
電力計と電流計の測定対象の違い
<電流計は(アンペア計とも言い)主に電流の強さを計測します。電流とは電気の流れる量のことで、単位はアンペア(A)です。たとえば、懐中電灯の電池から流れている電気の量を測るなど、回路に流れる電気の「量」を知りたいときに使います。
一方、電力計は電力(ワット)を測定します。電力とは電気のエネルギーの消費速度のことです。つまり、どれくらいの電気が使われているかを表します。電力は電流と電圧の積(P=VI)で求められるため、電力計は回路の電圧も考慮して測定しています。電球や家電がどれくらい電気を消費しているかを把握するときに役立ちます。
<
電流計と電力計の仕組みと使い方の違い
<電流計は回路に直列に接続して使います。
その理由は、流れている電流の大きさを正確に測るため、回路の中の電気の流れを直接測る必要があるからです。
一方、電力計は多くの場合、回路に電流計と電圧計の両方を組み合わせて使い、同時に電流と電圧を測り、その積で電力を計算しています。
電力計は、単に流れる電気の量だけでなく、電圧や使われる回路の抵抗なども加味して詳細なエネルギー消費量を測定します。
このため、電流計は電気の基本的な量を調べるのに便利で、電力計は消費電力の管理や効率改善に重要な役割を持っています。
<
電力計と電流計の用途の違いと選び方
<たとえば家庭で使う電気の量を正確に知りたい場合、電力計が必要です。電気料金の計算も電力の消費に対して行われているので、電力計は電気の使用量を測るための必須の機器です。
一方、電流計は実験や機械の電気回路の故障診断、モーターの状態確認などに利用されます。
まとめると、
- <
- 電流計は電気の流れを見ることが中心 <
- 電力計は消費している電気のエネルギーを把握することが中心 <
使用目的によってそれぞれ選ぶのが重要です。 <
<
電力計と電流計のまとめ比較表
<項目 | 電流計 | 電力計 |
---|---|---|
測定対象 | 電流(アンペア) | 電力(ワット) |
測定単位 | A(アンペア) | W(ワット) |
接続方法 | 回路に直列に接続 | 主に電流計と電圧計を組み合わせて測定 |
主な用途 | 電気の流れの大きさを知るために使う | 電気の消費エネルギーを計測し管理するために使う |
使用例 | 回路検査、モーターの調整等 | 家庭の電気使用量測定、産業用エネルギー管理等 |
<
このように、電力計と電流計は名前が似ていますが、それぞれ全く異なる役割と測定方法を持っています。電気の世界を理解し正しく機器を選ぶために最も基本的なことです。
何か電気の測定機器を使う時は、まず何を測りたいのかをはっきりさせてから選ぶことがとても大切ですよ。
電力計は電流と電圧の両方を測って電力を計算しますが、実は交流の場合は『力率』というものも関係してきます。力率が低いと電流は流れているのに実際の使える電力量は少なくなります。
このため、単に電流や電圧をかけるだけではなく、力率を正確に測るための電力計もあるんですよ。ちょっと奥が深い電力計の世界ですね!
前の記事: « 回路計と電流計の違いを中学生にもわかるように徹底解説!