
吹付工と法枠工とは何か?基本の理解を深めよう
建設現場でよく聞く用語の一つに「吹付工(ふきつけこう)」と「法枠工(のりわくこう)」があります。
これらはどちらも土留めや斜面の崩壊防止に関わる工法ですが、それぞれ特徴や使い方が違います。まずはそれぞれの基本的な意味を押さえることが重要です。
吹付工とは、コンクリートやモルタルを高圧で斜面や壁に吹き付けて固める工法です。
主に斜面の補強や表面の保護に使われます。
一方、法枠工は鉄筋を組んだ枠組みにコンクリートを流し込んで強固な壁を作る方法。
特に斜面の崩れを防ぐための構造物を作るために用いられます。
吹付工は薄く広い範囲を手早く覆うのに適し、法枠工はより強い支持力を持つ土台を形成します。
この違いを理解することが、使い分けのポイントとなります。
吹付工と法枠工の具体的な違いを比較表で見てみよう
次に、吹付工と法枠工の違いをわかりやすく比較表にまとめました。
これを見れば、一目で特徴や適した用途が分かります。
項目 | 吹付工 | 法枠工 |
---|---|---|
目的 | 斜面の表面保護や補強 | 斜面の崩壊防止や土留め |
工法 | コンクリート等を高圧で吹き付ける | 鉄筋で枠組みを作り、中にコンクリートを流し込む |
強度 | 中程度の補強力 | 非常に高い支持力 |
施工スピード | 速い | 遅い |
コスト | 比較的安価 | やや高価 |
適用範囲 | 広い範囲を薄く覆う | 局所的に強固な壁を作る |
この表を参考にして、現場の状況や目的に合わせて適切な工法を選ぶことが大切です。
使い分けのポイントと選ぶ際の注意点
吹付工と法枠工を選ぶ際、どちらがベストなのか迷うこともあるでしょう。
ここではどんな場合にどちらの工法が向いているのかを具体的に説明します。
吹付工は
- 斜面の表面を素早く保護したい
- 大きな範囲を対象にする
- コストを抑えたい
法枠工は
- 斜面が急で土砂崩れのリスクが高い
- しっかりとした土留めが必要
- 耐久性を重視する
ただしどちらも単独で使うだけでなく、両者を組み合わせて安全性を高めるケースも多いです。
例えば吹付工で表面保護を行い、法枠工を補助的に設置して斜面全体の安定性を確保する方法などがあります。
選ぶときの注意点としては、土質や斜面の傾斜、施工環境により最適な手法は変わるため、専門家の意見を聞くことが重要です。
また、工期や予算も検討材料の一つです。
ピックアップ解説
今回は吹付工と法枠工の違いについて話しましたが、よく聞く“吹付工”って実はスプレーガンを使った“コンクリートのシャワー”のようなものなんです。
高圧の風でコンクリートやモルタルが吹き付けられ、壁や斜面に張り付きます。
つまり、まるで壁にペンキを塗るような感覚で強度を上げられるのが魅力なんですよ。
しかもそのスピード感が現場ではとても重要!吹付工は効率的に広範囲をカバーできるので、工期短縮に役立っています。