
短期大学と短期大学校の基本的な違いとは?
日本には「短期大学」と「短期大学校」という、名前が似ている教育機関があります。どちらも教育を受けられる場所ですが、その仕組みや目的には大きな違いがあります。まず、短期大学は文部科学省の認可を受けている「大学」の一種で、主に2年制の高等教育機関です。一方、短期大学校は地方自治体や企業が設立した専門学校のようなもので、大学ではありません。
この違いは、学校の種類や学位、カリキュラムの面で重要な意味を持ちます。短期大学は大学の学位(短期大学士)が取れますが、短期大学校は学位の授与は原則としてありません。つまり、進学や就職の際に取得できる資格が変わってきます。これが最も基本的な違いの一つです。
学習内容や目的の違い
短期大学は、一般的に生活や文化、教育、福祉、ビジネス、看護など幅広い分野の専門知識を学びます。座学が中心で、専門的な知識と教養をバランスよく学べるのが特徴です。また資格取得や編入学も視野に入れた教育プログラムが充実しています。
一方、短期大学校はより現場で即戦力となる技能や技術の習得に重点が置かれています。例えば、看護技術、情報処理、ビジネス実務、福祉サービスなど実務に直結した内容が多く、実習や演習がメインです。そのため、就職に有利な実践的スキルの取得が目的となる場合が多いです。
入学資格や卒業後の進路に違いはあるの?
入学資格はどちらも基本的に高等学校卒業またはそれと同等以上の学力を持つことが必要ですが、短期大学は大学同様の厳しい入試が行われる場合もあります。
卒業後の進路については、短期大学の卒業生は大学編入や専門職への就職が可能です。短期大学の卒業は「短期大学士」の称号が与えられるので、大学卒業に近い扱いを受けます。
短期大学校は基本的に専門学校と同じ扱いになるため、主にその分野の企業や福祉機関などでの就職がメインになります。編入学はできないことが多いですが、実務経験者としての評価が高くなる場合もあります。
学費や通学期間の違いについて
学費は学校によって大きく異なりますが、一般的には短期大学の方が学費が高い傾向にあります。これは大学としての設備投資や教授陣の専門性、カリキュラムの違いなどからきています。
短期大学校は地方自治体や企業が運営し、公共の支援を受けていることも多いため、学費を比較的抑えていることが多いです。通学期間はどちらも約2年間であるのが基本ですが、カリキュラムや実習の多さなどにより負担感が違うことがあります。
短期大学と短期大学校の違いまとめ表
ポイント | 短期大学 | 短期大学校 |
---|---|---|
設置認可 | 文部科学省認可の大学 | 地方自治体や企業が設置する専門学校タイプ |
取得学位 | 短期大学士(学位)取得可能 | 学位は基本的に取得不可 |
学習内容 | 教養と専門知識のバランス | 実務技能や技術の習得が中心 |
卒業後の進路 | 大学編入や専門職就職 | 専門分野での就職が主、編入困難 |
学費 | やや高め | 比較的安価 |