
総合学習と総合的な学習の時間は何が違うの?
学校の授業や教育の話題でよく聞く「総合学習」と「総合的な学習の時間」という言葉。
一見似ているけれど、実は違いがあります。総合学習とは、狭い意味での教科の枠を越え、さまざまな知識や能力を組み合わせて学ぶ学習のスタイルや考え方のことです。
一方、総合的な学習の時間は、具体的に小学校や中学校で設置されている授業の時間の名称で、学校の年間時間割の中に組み込まれています。
この二つの違いをはっきりさせることで、学校の授業や教育指導の意図も理解しやすくなります。
今回は、この二つの言葉の違いを、中学生にもわかりやすく解説します。
【総合学習】とは?その特徴と目的
「総合学習」は教育の方法や考え方の一つです。
複数の教科や分野を関連づけて学ぶことで、問題解決能力や考える力を育てることが目的とされています。
例えば、社会科で勉強した歴史と、理科の地理の知識、さらに国語の読解力を組み合わせて、現実の社会問題について考えることもあります。
こうした学び方は、一つの教科の枠にとらわれないので、生きた力として役立つ知識の応用がしやすくなります。
また、自分で調べたり話し合ったりする活動が多いのも特徴です。
中学生や高校生では、課題研究や発表、グループワークなどで総合学習が実践されることも多いです。
こうした活動は、協力して問題に取り組む力や表現力の向上にもつながります。
【総合的な学習の時間】とは?授業の時間割の中のひと枠
「総合的な学習の時間」は、文部科学省が定めた小学校・中学校・高等学校で設けられている正式な授業時間の一つです。
国語や数学などの教科とは別に、年間に一定の時間が割り当てられ、児童・生徒が自ら課題を見つけ、調べたり考えたりする時間として使われます。
例えば、学校の中で身近な課題をテーマに調べ学習をしたり、地域の文化や自然について学んだりします。
先生はファシリテーター(促進役)となり、子どもたちが主体的に進めていくことが大切です。
学習時間は学校や学年によって異なりますが、1週間あたり45分程度が目安になっています。
この時間内に総合学習の考え方を活用しながら、自分で学ぶ力や多様な考え方を育てることがねらいです。
総合学習と総合的な学習の時間の違いを表で比べてみよう
ポイント | 総合学習 | 総合的な学習の時間 |
---|---|---|
意味 | 学習の方法・考え方の一つ | 学校で設けられている授業の正式な時間 |
目的 | 教科の枠を超えた学習で問題解決力や思考力を育成 | 自ら課題を見つけて調べ考える力を育む |
位置づけ | 教育の指導法や学びのスタイル | 年間の時間割に組み込まれる授業 |
実施方法 | 自発的な活動やグループワーク中心 | 週に一定時間設け、授業として行う |
例 | 教科をまたぐプロジェクトや課題研究 | 地域学習やキャリア教育としての授業 |
まとめ:どちらも大切な学びの形です
「総合学習」と「総合的な学習の時間」は、似ているようで別のものです。
総合学習は学び方や考え方の部分で、総合的な学習の時間はそれを実践するための学校の授業時間です。
どちらも、生きる力を育てるために重要な役割を持っています。
中学生のみなさんも、「なぜこんな学習をしているのか」を知って、積極的に取り組んでみてください。
将来、社会で役立つ力が自然と身についていきますよ。
「総合的な学習の時間」という言葉を聞くと、授業の一コマをイメージしがちですが、この時間のすごいところは、情報社会に欠かせない“自分で調べる力”を集中して身につけられる点です。
授業中だけでなく、自宅で調べ物をしたり、友達と話し合ったりすることで、主体的に学ぶ力がグンと伸びるんです。
しかも、ただの暗記ではなく「なぜそうなるのか?」「どうしたらもっとよくなるか?」と考える時間だから、みんなの将来にもきっと役立ちますね。