
仕掛品とは何か?
仕掛品(しかけひん)とは、製造過程の途中にある製品のことを指します。完成していない製品の状態で、まだすべての工程を終えていません。
例えば、お菓子を作るとき、材料を混ぜ合わせて焼いている途中の段階では、それはまだ完成品とは言えません。この途中の製品を仕掛品と言います。
仕掛品は、企業の財務において製造原価の一部として計上され、製造過程のコスト管理には欠かせません。
製品が完成するまでの工程で、材料費や労務費、製造間接費が投入されていきます。このようにして徐々に原価が積み上げられていくのが仕掛品の特徴です。
役務原価とは何か?
一方で、役務原価(えきむげんか)はサービスを提供する際にかかる費用を指します。
ここでいう役務とは「サービス業務」の意味で、形のある製品ではなく人の作業や技術提供が主な対象です。
例えば、ホテルでの清掃や美容院でのヘアカット、IT企業のシステムサポートなど、サービスを提供するために必要な人件費や材料費などを役務原価として計算します。
つまり役務原価はサービス業の原価計算で重要な役割を果たすものです。
仕掛品と役務原価の違い
それでは仕掛品と役務原価の大きな違いをまとめます。
項目 | 仕掛品 | 役務原価 |
---|---|---|
対象 | 製造途中の製品(物) | サービス提供にかかる費用(無形) |
業種 | 製造業 | サービス業 |
原価の性質 | 製品の完成までのコスト | サービス提供のためのコスト |
計算方法 | 完成品に移行するまで積算 | 人件費・材料費・経費を総合的に計算 |
財務上の扱い | 棚卸資産の一部 | 費用として計上されることが多い |
簡単に言うと、仕掛品は「まだ作っている途中のもの」、役務原価は「サービスを提供するためのかかった費用」と覚えると理解しやすいです。
製造業では仕掛品の管理が重要であり、サービス業では役務原価の把握が重要になるため、それぞれ異なる概念として扱われています。
仕掛品ってすごく身近な言葉ですが、実は会社の中でとても大事な役割を持っているんです。たとえば、パン屋さんでパンを焼く途中の状態のパンも仕掛品です。でもパンが焼きあがるまではお店の『商品』として売れませんよね。仕掛品はお金の流れを考えると、完成するまでかかっている費用を一時的にためておく“財布の中の小分け袋”みたいなもの。完成したら商品に変わって、お客様に売ることができます。こういう考え方を知っていると、ニュースで会社の決算や会計の話が出たときにグッと理解が深まりますよ。
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