
研究報告書と論文の違いとは?基礎からわかりやすく解説
「研究報告書」と「論文」はどちらも学問や仕事の分野で使われる文章ですが、実は目的や書き方に大きな違いがあります。
研究報告書は、あるテーマやプロジェクトでの研究結果をまとめ、目的は主にその研究の内容をチームや関係者に詳しく伝えることです。誰がどのように調べ、どんな結果が出たのか、これから何をするのかが分かるように書きます。
一方、論文は研究成果を学術的に発表するための文章で、同じ分野の他の研究者に向けて新しい知見や発見を示す役割があります。論文は専門的なルールがあり、第三者でもその内容を検証できるよう客観的かつ厳密に記述されます。
このように両者は目的や対象、書き方が違っているのです。
研究報告書の特徴と役割を詳しく紹介
研究報告書は、主に研究や仕事のプロジェクトで使われるもので、プロジェクトの途中経過や最終結果をまとめる文書です。
特徴としては次の点が挙げられます。
- 目的は研究内容の共有や次のステップの計画に役立てること
- 分かりやすく内容に重点を置き、文章はやや自由なスタイル
- 専門外の人にも読まれる可能性があるため平易な言葉を使うことが多い
- 図やグラフを多く使い情報をビジュアルに伝えることが多い
これにより、関係者が研究の流れや結果を理解しやすく、次の行動に生かせる形が実現されます。
つまり、研究報告書の主役は『わかりやすく伝えること』なのです。
論文の特徴と求められるポイントについて
論文は主に学術雑誌などで発表され、研究の新規性や妥当性を証明する役割があります。
次のような特徴を持っています。
- 厳密で客観的な証拠やデータの提示が必須
- 引用や先行研究の明示など、学術ルールを守る必要がある
- 論理的な構成が求められ、必ず「序論」「方法」「結果」「考察」「結論」といった形式で書かれる
- 専門家が読むため専門用語が多く、説明も詳細
こうしたポイントによって、他の研究者が内容を検証しやすくなり、科学的な信頼性や価値が高まるのです。
つまり、論文は『正確さと論理性』が命といえます。
研究報告書と論文の違いを一覧表で比較
言葉だけでの説明ではわかりにくい場合があるので、ここで表を使って比較してみましょう。
ポイント | 研究報告書 | 論文 |
---|---|---|
主な目的 | 研究やプロジェクトの情報共有 や次の対策立案 | 新しい研究成果の学術的発表 と検証 |
想定読者 | チームメンバーや関係者など 専門外の人も含む | 専門家や研究者 |
文章の形式 | 自由度が高い 図や写真も多用される | 決まった形式(序論、方法、結果、考察等) |
使用言語 | 平易な言葉で説明することが多い | 専門用語や学術用語多用 |
情報の正確性 | 正確性は求められるが 詳細な検証は必須でないことも多い | 厳密なデータと論理 検証が不可欠 |