
ひずみと変位って何?基本の違いをやさしく説明
物体に力が加わると、その形が変わったり、位置がずれたりします。これを理解するためには「ひずみ」と「変位」という言葉を知っておくことが大切です。
変位とは、物体のある点が元の位置からどれだけ移動したかを表すものです。つまり、点の動きの大きさや方向を示します。例えば、ゴムを引っ張ったとき、ゴムの中のある場所が10センチ動いたとしたら、その10センチが変位です。
一方で、ひずみは物体の形や大きさの変化の割合を示します。たとえば、長さが元の長さの100センチの棒を引っ張って110センチになった場合、長さの変化は10センチですが、ひずみはこの10センチの変化を100センチに対する割合(10%)で表します。
つまり、「変位」は移動の距離や方向を指し、「ひずみ」は変形の度合いを割合で示すという違いがあるのです。
ひずみと変位の違いをもっと詳しく!特徴や特徴的な使い方
変位は物体の一点がどこに動いたかを表すため、その値は「長さ(メートルなど)」で表されます。変位が大きいほど、物体はたくさん動いたということになります。
一方で、ひずみは無次元量(単位のない数値)です。なぜなら、元の長さに対する変化の割合だからです。だから、ひずみは「0.1(10%)」や「0.01(1%)」のように、単位なしで数値になります。
変位は一般的に位置の変化として用いられますが、ひずみは物体の力学的変形を理解する上で非常に重要です。例えば、建物の耐震設計や機械部品の設計などでは、ひずみの大きさが安全性や性能に直結します。
また、変位は直接測定しやすいですが、ひずみを測るには特別な計測器(ひずみゲージなど)が必要となります。
ひずみと変位の違いを表で比較!見やすくまとめてみた
ポイント | ひずみ | 変位 |
---|---|---|
意味 | 物体の形や大きさがどれだけ変わったかの割合 | 物体のある点が元の位置からどれだけ動いたか |
単位 | なし(無次元) | メートル(m)などの長さの単位 |
測定方法 | ひずみゲージなどの専用機器で測定 | 直接定規やレーザーなどで測定可能 |
利用例 | 材料の安全性評価や構造設計 | 機械の動きの解析や位置変化の確認 |
表現方法 | 割合、例えば0.01(1%) | 長さの変化や位置の変化 |
まとめ:ひずみと変位の違いをしっかり理解しよう
今回の解説で、変位は物体の点の移動距離や位置の変化を示し、単位付きの量であること。
そして、ひずみは物体の形状の変化を元の大きさに対する割合で示し、単位のない割合で表されることがよくわかりましたね。
この二つの違いをきちんと理解しておくことは、素材や機械の強度を考えたり、建物の安全性を評価したりするための基礎になります。
ぜひ、ひずみと変位の違いを覚えて、身の回りの物の動きや変化を観察してみてください。
実は「ひずみ」を測るのには、特別な道具がいるんです。ひずみゲージという小さな機械を物体に貼り付けて、物体が伸びたり縮んだりするときの電気抵抗の変化を測定します。この仕組みを知ると、機械がどうやって安全か判断しているのかが見えてきて、ちょっとワクワクしますよね。普段は目に見えない“ゆがみ”も、科学の力でちゃんと数字にできるんです。
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