
環境基本法とは何か?その目的と役割を解説
日本の環境を守るためには、さまざまな法律が定められていますが、その中でも特に基盤となる法律が環境基本法です。環境基本法は1993年に制定され、
環境全体を包括的に守るための基本的な考え方や対応の枠組みを示しています。
具体的には、大気・水質・土壌などさまざまな環境要素の保全や、人々が健康で安全に暮らせる社会づくりを目的としています。
環境基本法は幅広い環境問題に対応するための基本理念を示し、国や地方自治体、企業、市民が協力して環境保全に取り組む指針を提供しています。
この法律があることで、他の具体的な環境関連法律と協調しながら環境保護が進められるのです。
環境基本法は“環境の基本的な方向性”を決める法律で、環境問題を解決するための土台となっています。
例えば、省エネやリサイクルの推進、自然との共生、環境教育の充実など、環境に関するさまざまな政策の原則を明示しているのです。
このように、環境基本法は日本の環境保護の根本ルールを定め、環境問題に取り組む全ての主体の行動指針となっている法律と言えます。
自然環境保全法ってどんな法律?環境基本法との違いを詳しく見る
一方で自然環境保全法は、自然そのものの保護に焦点を当てた法律です。1992年に制定され、主に自然環境の良好な状態を維持・回復することが目的です。
ここでの“自然環境”とは、森林・河川・湿地・野生生物など自然が本来持っている姿や生態系を指しています。
自然環境保全法は、自然の多様性を守るために、具体的な場所や生き物を保全するための措置や計画を国や地方自治体に求めています。
特に、貴重な自然地域の指定や、自然公園の管理、野生動植物の保護などを規定することが特徴です。
この法律では、環境基本法で示された広い環境保護の理念を踏まえながらも、
自然そのものの保存に特化した具体的な規定が設けられていることが大きなポイントです。
つまり、環境基本法が“環境全体の基本方針”を示すのに対して、自然環境保全法は“自然の具体的な保護の実施”に重点が置かれています。
また、自然環境保全法の下では地域の自然環境を守るために、保全活動や市民参加も奨励されているため、実際の自然保護活動の現場で役立つ法律となっています。
【表で比較!】環境基本法と自然環境保全法の主な違い
項目 | 環境基本法 | 自然環境保全法 |
---|---|---|
制定年 | 1993年 | 1992年 |
目的 | 環境全体の保護と調和 環境問題の基本理念の提示 | 自然環境の維持・回復 生態系や自然多様性の保護 |
対象 | 大気、水質、騒音、廃棄物など広範囲 | 森林、河川、野生動植物など自然環境に特化 |
内容 | 環境保全の基本理念と方針 国・地方自治体の役割規定 | 貴重自然の指定・保全 自然公園の管理 市民参加の促進 |
役割 | 環境保護の総合的な指針 | 自然そのものの具体的な保護活動 |