
フォービズムとフォーヴィスムって何?
まず初めに、フォービズムとフォーヴィスムは、実は同じ芸術の流派を指しています。読み方の違いだけで、フランス語の“Fauvisme”が日本語で書かれる時に、カタカナ表記が変わることが原因です。
フォービズム、フォーヴィスムともに20世紀初頭に現れた芸術のスタイルであり、色彩の大胆さや自由な表現が特徴です。
この流派は伝統的な写実主義から離れ、芸術で感じたままの色や形、感情を強調し、作品に感動や衝撃を与えることを目的としました。
名前の由来はフランス語の「les Fauves(野獣たち)」から来ており、これもまたその荒々しい色彩表現から付けられました。
フォービズム/フォーヴィスムの特徴とは?
フォービズム(フォーヴィスム)は、色使いがとても特徴的です。自然の見え方とは違い、鮮やかで非現実的な色を好みました。例えば、顔が青や赤、空が緑という風に、実際の色にとらわれず、感情を強く表現しました。
この流派の画家達は、形も単純化して、大胆にデフォルメ(形を変えて強調)することも多いです。細かい陰影や細密な描写はあまりなく、代わりに明るくはっきりした「色の塊」で表現します。
主な画家にはアンリ・マティスやアンドレ・ドランがいます。彼らの作品は自由で輝いていて、観る人に強い印象を与えます。
フォービズム/フォーヴィスムと他の芸術流派との違い
フォービズムは、それまでの伝統的な芸術で重視されたリアルな描写や細密な表現と比べ、大きく異なります。
例えば、印象派やポスト印象派では自然の光や影の移り変わりを細かく観察して描きましたが、フォービズムは光や影の表現にはあまりこだわらず、鮮やかな色そのものが主役となります。
また、キュビスムは物の形を分解して幾何学的に再構成しましたが、フォービズムは色彩の自由度を追求した点で独特の存在です。
この違いから、フォービズムは「色の野獣(les Fauves)」というあだ名がつき、芸術の歴史で色彩革命を起こした重要な流派と言われています。
フォービズムとフォーヴィスムのカタカナ表記の違い
では、なぜ「フォービズム」と「フォーヴィスム」という表記があるのでしょうか?これは日本語のカタカナ表記の「音の再現」の違いによります。
フランス語の「Fauvisme」は「オ」や「オー」と聞こえやすい部分があり、「フォービズム」の方が馴染みやすいという理由で使われています。一方、より原音に近く聞こえる「フォーヴィスム」という表記も見かけます。
どちらも間違いではなく、同じものを指します。
下の表で違いをまとめてみましょう。
まとめ:どちらの言葉も同じ芸術の流派を指す!
結論として、フォービズムとフォーヴィスムは同じ芸術の流派のことです。
違いは主にカタカナの書き方や呼び方だけで、意味や内容はまったく同じ。どちらを使っても問題ありません。
特徴は大胆で鮮やかな色彩表現であり、20世紀初めの芸術界に新風を吹き込んだスタイルです。
ぜひ美術の授業や展覧会で見かけたら、この色彩豊かな芸術を思い出して楽しんでみてくださいね。
フォービズム(フォーヴィスム)に使われる鮮やかな色彩は、ただきれいなだけでなく、画家たちの「感情」を色で表現したものなんです。例えば、悲しい気持ちを青や紫で強調したり、元気な感じを赤や黄色で表すなど、色にはそれぞれ意味や気持ちが込められていました。
だから、フォービズム作品を見ると色の選び方に驚かされますが、それは画家たちの感情表現の仕方なんですね。ちょっとした色の使い方で、作品の雰囲気が大きく変わるなんて面白いですよね!