
排水性舗装と透水性舗装って何?基本の違いをわかりやすく解説
まずは排水性舗装と透水性舗装がそれぞれどんな舗装なのか、簡単に説明しましょう。どちらも道路や歩道などで雨水を処理するために使われる舗装ですが、その仕組みや目的には違いがあります。
排水性舗装は表面に多数の空隙を設けて、雨水を素早く舗装の下の排水層へ流す方法です。水は舗装の内部を通って側溝や排水管に集まるので、路面が乾きやすく滑りにくいのが特徴です。
一方の透水性舗装は、舗装自体が「水を通す」性質を持っていて、雨水が路面から地面へ直接染み込むようになっています。つまり、雨水をためるのではなく地中に戻すことを目的としているのです。
このように両者は「排水する場所」と「雨水の流す仕組み」が異なっています。
排水性舗装の特徴と主なメリット・デメリット
排水性舗装は主に歩道や自動車道などで安全性を高めるために使われています。
特徴としては、表面の空隙が多いために雨水を素早く排除し、滑りにくい路面を作ることができます。これにより雨の日でも車のスリップ事故を減らせる効果があります。
メリットとしては
- 雨天時に路面が乾きやすく安全性が高まる
- 離散性が良く、路面の水はけが速い
- 冬場の凍結を減らす効果も期待できる
- 舗装内部の空隙が詰まりやすく、維持管理が必要
- 費用が一般舗装に比べて高い
- 雑草や泥が詰まることがあり性能低下の恐れ
排水性舗装は安全対策と即時排水を重視する場所に向いています。
透水性舗装の特徴と主なメリット・デメリット
透水性舗装は雨水を地面に直接戻すことで、自然の水循環を保つことを目的にした舗装です。
特徴としては、舗装材が水を通す構造で、地面への浸透性に優れています。これにより雨水が一時的にたまらずに浸透し、周囲の地下水の補給や雨水の排水負担軽減に役立ちます。
メリットは
- 雨水浸透で自然の水循環を促進
- 浸透による雨水の排水負担を減らせる
- ヒートアイランド現象軽減にも効果あり
- 施工が難しく、耐久性に課題がある場合もある
- 空隙が詰まると水を通さなくなるためメンテナンスが重要
- 荷重がかかりやすい場所には不向き
透水性舗装は公園や駐車場、歩道など、環境保全を重視する場所に適しています。
排水性舗装と透水性舗装の違いを表で比較!使い分けのポイントも紹介
項目 | 排水性舗装 | 透水性舗装 |
---|---|---|
雨水の流れ | 舗装内部の空隙を通って側溝などへ排水 | 雨水を地面に直接浸透させて自然に戻す |
主な目的 | 路面の水はけ改善と安全性確保 | 雨水の浸透促進と環境保全 |
適した場所 | 歩道・車道・交通量の多い場所 | 公園・駐車場・環境配慮の場所 |
メンテナンス | 詰まり対策が必要 | 定期的な清掃が重要 |
デメリット | 空隙詰まりや費用が高め | 施工費用と耐久性の課題がある |
まとめ:排水性舗装と透水性舗装の正しい使い分けが安心・安全な街づくりに
排水性舗装と透水性舗装は、どちらも雨水対策のための重要な舗装技術ですが、その特徴や目的は大きく異なります。
強い雨天などでも路面の水はけを優先し安全性を高めたい場合は排水性舗装が適切です。逆に、雨水をなるべく自然に返し地下水の補給や環境への負担軽減を重視したい場合は透水性舗装が向いています。
この2つは目的に応じて使い分けることで、より良い都市環境づくりに貢献します。施工や維持管理のポイントも理解した上で、適切な舗装を選びましょう。
透水性舗装の仕組みって、ただ水を通すだけじゃなくて実は街の地下水のリチャージ(補充)にも関わっているんです。みんな普段意識しないけど、雨水は大切な資源。透水性舗装を使うことで、雨水が地面に染み込み、地下でゆっくり蓄えられ、夏の乾燥時期にも地下水として利用されるんですよ。だからESG(環境・社会・ガバナンス)や自然保護の観点からも注目されています。
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