
カルデラとは何か?
カルデラとは、火山活動によってできた大きな凹地(へこんだ場所)のことを指します。火山が噴火した後、マグマが地下から大量に流れ出してしまうと、火山の内部が空洞になり、その部分の地面が陥没(かんぼつ)してできるのがカルデラです。
つまり、カルデラは火山の頂上がすぼんで大きなくぼみになった地形で、直径が数キロにも及ぶことがあります。日本国内では、北海道の支笏湖カルデラや熊本県の阿蘇カルデラが有名です。カルデラは噴火後の空洞崩壊でできるため、盆地のような形をしていることが多いのが特徴です。
溶岩台地とは?
一方、溶岩台地は火山から流れ出た溶岩が冷えて固まることでできた平らな地形のことです。溶岩が広い範囲に流れ出ると、それが厚く積み重なって平坦(たいら)な台地のような形になります。
溶岩台地は、火山活動が活発で溶岩が頻繁に流れ出した地域に見られます。日本では静岡県の富士山周辺や北海道の十勝岳周辺に多くあります。溶岩台地は名前の通り、溶岩が主成分でできた台地で、周囲よりも高く広がっている場所が多いです。
カルデラと溶岩台地の違いを表で比較
特徴 | カルデラ | 溶岩台地 |
---|---|---|
形成方法 | 火山の噴火後の陥没でできる | 溶岩が流れ出て固まることでできる |
形状 | 大きなくぼ地・盆地状 | 広い平坦な台地 |
主な成分 | 火山岩・火山灰など多様 | 溶岩(固まったマグマ) |
代表例(日本) | 支笏湖カルデラ、阿蘇カルデラ | 富士山周辺、十勝岳周辺の溶岩台地 |
火山活動との関係 | 噴火後の空洞がつぶれてできる | 溶岩流が積み重なってできる |
それぞれが作り出す自然の魅力
カルデラはその大きなくぼ地の中に湖や湿地ができることが多く、美しい自然の景色が広がります。例えば、支笏湖カルデラはカルデラのくぼみの中にできた湖で、日本最北の不凍湖として有名です。
一方、溶岩台地は高台に広がる平坦な土地なので、農業に利用されたり、登山やハイキングなど自然の中での活動に適しています。また、溶岩台地独特のごつごつした岩の姿も地形観察の楽しみの一つです。それぞれの地形は火山の活動の結果できたものであり、自然の変化や力強さを感じられる場所です。
カルデラの内部にはよく湖ができることがありますが、これはカルデラが大きなくぼ地で雨水や地下水がたまりやすいためです。特に支笏湖のようなカルデラ湖は火山活動の痕跡としても貴重で、透明度が高く美しい景色が広がります。火山の爆発が終わった後の陥没がこんなに美しい湖を作り出すとは、自然の力の意外な一面を感じさせますね。