
マルハナバチとミツバチはどんな違いがある?
マルハナバチとミツバチは、どちらも私たちがよく知る蜂(はち)の仲間ですが、実はたくさんの違いがあります。まず見た目の大きさや形、次に生活のしかたや性格、さらに花から集める働き方や蜂蜜のつくり方まで違いがあるんです。
今回は中学生のみなさんにもわかりやすく、マルハナバチとミツバチの違いを紹介します。大きく分けて、体の特徴、暮らし方、働き方の3つに注目しましょう。
簡単に言うと、マルハナバチはずんぐりした体で大きく、寒さに強くて主に短い距離を飛びます。ミツバチは体が小さくてスリム、長い距離を花へ飛んでいき、みんなで協力してたくさんの蜂蜜を作るのが得意です。
マルハナバチとミツバチの体の特徴の違い
マルハナバチは、全体的に丸っこくて毛が多く、体の大きさは約2~3センチとかなり大きめです。毛が密(みつ)に生えているため、見た目はフワフワしています。色は黒に黄色やオレンジのしま模様が目立つ種類が多いです。
一方、ミツバチはマルハナバチに比べて小さく、体長は約1.2センチほど。体は細長く、色は黄色と黒のしま模様ですが、マルハナバチほど毛は濃くなく、体もツルッとしています。
このように毛の量や体の大きさ、形が違い、見分けるポイントになります。
生態や暮らし方の違い
マルハナバチは自然の中で単独で巣を作ることもあれば、小さな群れで活動することもあります。巣は地面の中や空き家の中に作ることが多く、野生に近い生活をしています。冬は女王バチだけが冬眠し、春になると新しい群れを作ります。
ミツバチは大きな群れをつくって生活します。巣箱や木の中で数万匹の蜂が協力して生活し、冬でも群れ全体が暖かくなれるように団子のように固まって過ごします。また、ミツバチは養蜂(ようほう)の対象として蜂蜜をたくさん集め、商業的にも大活躍します。
こうした巣の作り方や群れの大きさ、冬の過ごし方の違いが生態上の大きなポイントです。
働き方や蜜の集め方の違い
マルハナバチは短い距離でもたくさんの花を訪れ、体が大きいために花粉を運ぶ力が強いです。寒い日や雨の日でも活動することができるため、さまざまな環境で活躍します。しかし蜂蜜はほんの少しだけ作ります。
一方、ミツバチは晴れた日に長距離を飛んで多い花粉や花蜜を運び、蜂蜜をたくさん蓄えます。巣の中で蜜を濃くし、貯蔵できるようにする働きもあります。
この違いから、マルハナバチは主に受粉の助けとして農業で使われることが増えています。一方ミツバチは蜜を集めるだけでなく蜂蜜作りも得意です。
次の表にまとめてみました。
ポイント | マルハナバチ | ミツバチ |
---|---|---|
体の大きさ | 約2~3cmで大きく毛が多い | 約1.2cmで小さく毛は少なめ |
巣の作り方 | 地中や自然物に巣を作ることが多い | 大きな群れで巣箱や木の中に巣を作る |
群れの数 | 小さな群れまたは単独 | 数千~数万の大きな群れ |
冬の過ごし方 | 女王バチだけが冬眠 | 群れ全体が団子になって暖まる |
蜜の量 | 少量 | 大量で商業利用もされている |
まとめ
今回はマルハナバチとミツバチの違いについて、見た目の特徴、生態の違い、働き方の3つのポイントで解説しました。
それぞれの蜂がどうやって生活し、どのように人間の生活に関わっているかを知ることは、自然環境や農業を学ぶうえでとても大切です。
マルハナバチは自然の中で短い距離を飛び、寒さにも強い性質を持っています。一方ミツバチは大きな群れをつくり、多くの蜜を集め世界中で養蜂として利用されています。
見た目や巣作りの違いを覚えると、自然の中でどちらの蜂か見分けることもできるようになりますよ。ぜひ観察してみてくださいね。
マルハナバチの『冬眠する女王バチだけが春に新しい群れを作る』という生態、実はとても興味深いんです。冬の間、ほとんどの働き蜂は亡くなり、女王バチだけが地中や暖かい場所でじっと寒さをしのぎます。春になると活動を再開し、自分だけで新しい巣作りを始めるのです。この単独でのスタートは虫の中でも珍しい形式で、自然で効率よく子孫を増やす方法として進化しました。冬の間に静かに過ごす女王バチの生命力の強さは、自然の不思議さを感じさせてくれます。