
ニッケル水素電池とリチウムイオン電池の基本的な違いとは?
私たちの身の回りでよく使われている充電式電池には、主にニッケル水素電池(NiMH)とリチウムイオン電池(Li-ion)の2種類があります。どちらも繰り返し充電して使える便利な電池ですが、性質や用途に違いがあるため、用途に合った選び方が重要です。
ニッケル水素電池は1990年代から普及
両者の違いを簡単に言うと、ニッケル水素電池は安全性が高く、安価で作りやすいですが、容量や放電特性でリチウムイオン電池に劣ります。リチウムイオン電池は高容量で軽量、電圧も高いので小型軽量な製品に向いていますが、価格が高く取り扱いに注意が必要です。
容量と電圧の違い
容量は電池がどれくらい長く電気を供給できるかを表します。ニッケル水素電池の容量は一般的に約600~3000mAh程度で、リチウムイオン電池はもっと高く、例えばスマホのバッテリーなら3000~5000mAhやそれ以上もあります。
電圧に関しては、ニッケル水素電池は一セルあたり約1.2V、リチウムイオン電池は約3.6~3.7Vです。この違いは製品設計に大きく影響します。高い電圧が必要なデバイスにはリチウムイオン電池が好まれます。
寿命と充電時間、性能比較表
項目 | ニッケル水素電池 | リチウムイオン電池 |
---|---|---|
容量 | 600~3000mAh程度 | 3000~5000mAh以上 |
電圧(1セルあたり) | 約1.2V | 約3.6~3.7V |
寿命(充放電回数) | 約500~1000回 | 約500~1500回 |
自己放電率(1か月) | 高い(20%以上) | 低い(5%以下) |
安全性 | 高い | 発火のリスクがあるため注意必要 |
コスト | 安価 | 高価 |
使用上の注意と環境への影響
ニッケル水素電池は自己放電がやや多いため、保管すると容量が減ってしまいやすい特徴があります。対してリチウムイオン電池は自己放電が少なく、長期間の保管にも適していますが、過充電や高温に弱く、誤った使い方をすると発火や爆発の危険があります。
環境面では、ニッケル水素電池は有害な重金属を含まず、リサイクルも比較的容易です。一方リチウムイオン電池はリチウムやコバルトなど希少資源を使っており、廃棄時のリサイクルや資源の確保が課題となっています。適切なリサイクルが重要です。
まとめ:どちらの電池を選べばいい?
まとめると以下のようになります。
- 高容量で軽量、スマホやタブレット、ノートパソコンにはリチウムイオン電池
- 安全性が高く、比較的安価なため小規模な家電やおもちゃ、電動工具などにはニッケル水素電池
- 使用環境やコストを考えて選ぶことが大切
これらの違いを理解して、あなたの使い方に合わせた最適な電池を選びましょう。
今では技術の進歩によりリチウムイオン電池の安全性も向上し、今後さらに普及が進むと予想されますが、利用シーンによってはニッケル水素電池もまだまだ活躍しています。
充電式電池選びの基本を押さえて、賢く快適な生活を送りましょう!
リチウムイオン電池の「自己放電率」が低いという特徴は非常に便利ですが、実は自宅で保管する際の温度が大きく影響します。例えば、暑い夏場の車内や直射日光の当たる場所に置いておくと、電池の劣化が進んでしまうんです。安全かつ性能を長持ちさせるためには、涼しい場所で保管するのがポイント。意外と見落としがちな『保管環境』も、電池選びや長持ちには大切なんですよね。こんな小さな工夫で、スマートフォンやノートパソコンのバッテリー寿命を延ばせるかもしれません!
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