
命令と指図の基本的な意味の違い
まずは「命令」と「指図」という言葉の基本的な意味を押さえましょう。
命令とは、上司や権限のある人が、部下や下の人に対して絶対に守るべき指示を出すことをいいます。例えば先生が生徒に宿題をやりなさいと言う場面や、軍隊の上官が兵士に行動を指示する場面で使われます。
一方、指図は、命令に比べて少し強さが弱く、指示やお願いの意味も含まれます。たとえば友だち同士で何かを決めるときに、「これをこうしたら?」と提案する感じのことです。
つまり、大きな違いは命令が強制力を持つ指示であるのに対し、指図は強制力が弱い指示や助言という点です。
命令と指図の使われ方とニュアンスの違い
次に、実際に使うときのニュアンスや状況の違いを見ていきましょう。
命令は、組織や社会のルールに基づき上下関係がはっきりしている場合に使われます。会社や軍隊では命令によって業務や行動が決まることが多いです。命令には必ず従う義務があります。
一方、指図は、厳しいルールがあるわけではなく、相手に「こうしてほしい」という気持ちを伝えるときに使います。指図は相手に押しつけるニュアンスも含まれますが、命令ほど強くありません。
日常生活では、家族や友人間でのやりとりで指図という言葉がよく使われます。指図をする人は多少上から目線になることもあり、相手がそれを嫌に感じることもありますが、命令ほど深刻ではありません。
命令と指図の違いをまとめた表
特徴 | 命令 | 指図 |
---|---|---|
強制力 | 強い。必ず従う必要がある | 弱い。従わなくてもよい場合が多い |
上下関係 | 明確。上司や権限者からの指示 | はっきりしない場合もあり、親しい間柄でも使う |
使用場面 | 会社、軍隊、学校などの組織内 | 日常の家族や友人との会話など |
ニュアンス | 強く命じる、義務感を伴う | 提案やお願い、押し付けがましい場合もある |
感情への影響 | 守らないと処罰やペナルティがある | 気分を悪くさせることがあるが罰則はない |
実際の例文で違いを確認しよう
実際の会話で「命令」と「指図」がどう使われているか、例文で比べてみます。
命令の例:
「部長は部下に『この企画書を明日までに完成させなさい』と命令した。」
指図の例:
「彼は友達に『ここはこうやった方がいいよ』と指図した。」
このように命令は絶対的な指示で、必ず守らなければならないのに対して、指図は相手に提案や要求をやや強い口調で伝える意味合いが強くなります。
まとめて言うと、命令はルールや権限に基づく強制力のある指示で、指図は強制力が弱く、時には押しつけがましく感じる指示や提案と考えると分かりやすいでしょう。
「指図」という言葉は、時にちょっと厄介な存在になることがありますよね。例えば、家族や友達の間で『指図ばかりされる』と感じることはありませんか?指図は単なる指示や助言以上に、相手に対して少し上から目線で『こうしなさい』と言うニュアンスを含むことがあるんです。だから、日常会話で使うときには相手の気持ちも考えて、指図になりすぎないように気をつけることが大切ですよ。
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