
U字谷とフィヨルドの基本的な違い
自然の風景を見るときに、U字谷やフィヨルドという言葉を耳にすることがあります。どちらも美しい地形ですが、実は成り立ちや特徴が異なります。
U字谷は氷河が山の谷を削って作られたU字型の谷のことです。氷河が長い時間をかけて谷を深く削ることで、谷底が平らで両側の斜面が急なU字型になります。一方、フィヨルドはそのU字谷がさらに海水で満たされたもので、深く入り組んだ海岸線が特徴です。
つまり、U字谷は陸上の地形の形状であり、フィヨルドはそのU字谷が海に沈んだ場所です。
U字谷とフィヨルドの形成過程の違い
U字谷は氷河期の間、氷河が山を覆い谷を削ることで作られました。
氷がゆっくりと動くことで岩を削り、谷底は平らで深くなり、谷の形はU字に変わります。
フィヨルドはU字谷ができた後に海面が上昇し、そこに海水が入り込むことで完成します。
このため、フィヨルドは塩水が谷に入り込んだ状態の地形で、奥深くまで海が入り込んだように見えます。
だから、すべてのフィヨルドはU字谷からできていますが、すべてのU字谷がフィヨルドになるわけではありません。
見た目や場所の違い、具体例の紹介
U字谷は主に山岳地帯に見られ、たとえば日本の北海道・ニセコの地域などにあります。
谷底は広くて平らで、両側の山は急斜面です。
フィヨルドはノルウェーやニュージーランド、カナダの西海岸などの海岸沿いに多くあります。
深い海の入り江が狭い谷のように入り組んでいて、遊覧船でその景色を楽しむこともできます。
以下の表で特徴を比較してみましょう。特徴 U字谷 フィヨルド 地形の種類 氷河が削ったU字型の谷 U字谷が海水に浸かった入り江 形成過程 氷河による谷の削り 氷河形成後の海水の浸入 海水の有無 なし(陸上) あり(海岸) 代表的な場所 地域によって異なる(例:北海道) ノルウェー、ニュージーランド、カナダ西海岸 見た目 平らな谷底と急な谷壁 深い入り江と険しい山の組み合わせ
このように、U字谷とフィヨルドは一見似ていますが、自然の成り立ちや場所、見た目に違いがあることがわかります。
どちらも氷河が重要な役割を果たしている点は共通しているため、理解すると自然環境の成り立ちについて深く知ることができます。
フィヨルドの名前の由来を知っていますか?実はノルウェー語の“fjǫrðr”(フィョルドル)から来ていて、『入り江』や『湾』を意味します。
この言葉が意味するように、フィヨルドは氷河が作った深い谷が海に沈んでできた入り江のことです。
ノルウェーではフィヨルドの観光が盛んで、地元の人は『海と山の不思議な出会い』と呼んで愛しています。
こうした言葉の背景を知ると、地形の見方も変わり、自然の奥深さを感じられるんですよ。
次の記事: ノーベル平和賞とノーベル賞の違いとは?初心者でもわかる徹底解説! »