
ジェノグラムと家系図の基本的な違いとは?
まずは「ジェノグラム」と「家系図」がどう違うのかを理解することが大切です。
家系図は、家族の血縁関係を図にしたもので、誰が誰の子供であるかなどの血縁関係が中心です。主に先祖や親戚のつながりを年代順にわかりやすく示し、家の歴史やルーツを辿るために使われます。
一方でジェノグラムは、家系図の機能も持ちつつ家族内の感情的関係や社会的関係も記録することが特徴です。たとえば夫婦の仲の良さやトラブル、親子の感情のつながり、家族間の問題なども図に表します。
つまり、家系図が
「家族のつながりを年代と血縁で見る」ことを目的としているのに対し、
ジェノグラムは「家族の関係性や性質も読み解く」ためのツールなのです。
この違いを理解すると、どの場面でどちらを使うべきかがわかりやすくなります。
ジェノグラムの特徴と使われる場面
ジェノグラムは心理学や社会福祉、医療現場などでよく使われています。
例えば、家族療法を行うカウンセラーは、家族の感情のつながりや葛藤を理解するためにジェノグラムを作成します。
ジェノグラムには通常、凡例として以下のシンボルが使われます。
- 結婚している夫婦は二重線で結ぶ
- 離婚は破線で表す
- 夫婦や親子の関係が良好なら実線、悪い場合はギザギザ線や矢印など
- 死別や養子も特別な記号で表現
これにより、単に家族を年代で並べるだけではわからない人間関係の複雑さが見えます。
医療では遺伝的な病気の調査に加えて、家族のストレスやサポート状態を理解するのに役立ちますし、学校のソーシャルワークでも、子どもの家庭環境を把握するためで活用されます。
このように、人間関係の質や社会的背景も含めて分析したい時にジェノグラムは非常に役立つのです。
家系図の特徴と作り方のポイント
家系図は血縁関係を中心に親子や兄弟姉妹を年代順に並べた図です。
自分の祖父母やひいおじいさんまでさかのぼり、家族の名前や生年月日、結婚日などを整理していきます。
家系図はお正月に祖父母の家の集まりで見せ合ったり、親戚の歴史を知るために作ったりすることが多いです。
主な特徴は以下の通りです。
- 血統や家柄の整理が主な目的
- 作成にあたっては戸籍謄本や家族の聞き取りが重要
- 年代順に並べて先祖を辿りやすくする
- シンプルに世代と血筋がわかる線や記号で表す
また、日本の家系図は家督相続が関係したり名字が変わることもあり、名前の読み方や苗字の変遷にも注目します。
換言すれば、家系図は「過去の家族の歴史を一目で把握し、家の流れを確認する」ためのツールということです。
ジェノグラムと家系図の違いをわかりやすくまとめる表
特徴 | ジェノグラム | 家系図 |
---|---|---|
目的 | 家族の関係性や感情・社会的背景を把握 | 血縁関係や家の歴史を整理・記録 |
記号・シンボル | 関係の強さや問題、結婚・離婚など多様な記号 | 血縁や年代が中心。基本は線で繋ぐ |
使われる場面 | 心理カウンセリング、医療、福祉、ソーシャルワーク | 家族のルーツ調査、先祖の整理、趣味として |
情報の深さ | 感情・関係性など細かい人間関係も記載 | 名前、生年月日などの基本情報中心 |
作成手順 | 聞き取りや観察で関係の質を記録 | 戸籍や資料で系図を構築 |
まとめ:目的に応じて使い分けよう!
ジェノグラムと家系図は一見似ているようで、実は使う目的や記録する内容が大きく違います。
家系図は家族の歴史や親族関係を知りたい人におすすめです。
ジェノグラムは家族の人間関係や感情のつながり、問題点を理解したい場面で役立ちます。専門的なカウンセリングや医療、福祉関係者が利用することが多いですが、家族の複雑な関係を探りたい個人にも有効です。
要するに、単なる血縁のつながりなら家系図、関係性の深さや質も知りたいならジェノグラムという覚え方がわかりやすいでしょう。
ぜひ自分の目的に合わせて、両方の特徴を活かしてくださいね。
ジェノグラムって聞くと難しそうに感じますが、実は家系図の進化版のようなものです。家系図が『血縁のつながり』だけを示すのに対して、ジェノグラムは家族の仲の良さや問題を含む関係性まで図にします。たとえば、夫婦が仲良しかどうか、兄弟姉妹の間に争いがあるか、といった感情の面が一目でわかるんです。これは心理カウンセラーや医療のプロも使うツールで、家族の心の状態を読み取るサポートをしています。なので、ただの家系図より深く家族を理解したい時にジェノグラムはすごく便利なんですよ。
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