
自己共分散と自己相関とは?基本の違いを理解しよう
データを分析するときに使われる「自己共分散」と「自己相関」は、似た言葉ですが意味や使い方が少し違います。
まず、自己共分散は、同じデータの中で時間や順番がずれた2つの値の関係をみる数値です。例えば、気温のデータで今日と明日の気温の関係を考えたとき、どのくらい似た動きをしているかを表します。
一方、自己相関は、自己共分散を値のばらつきの指標で割って、数値の幅を0から1(または-1から1)の範囲におさめたものです。
これにより、どれだけ強く関連しているのかを分かりやすく示します。
簡単に言うと、自己共分散は「数値の共通の動きの大きさ」、自己相関は「その動きの強さや方向」を表しています。
自己共分散と自己相関の違いを具体的に見てみよう
自己共分散と自己相関はどちらも時系列データの分析で使われます。ここで、違いをさらにはっきり理解できるように、簡単な表でまとめました。特徴 自己共分散 自己相関 意味 同じデータの異なる時点の共分散 自己共分散を標準偏差で割った正規化された指標 値の範囲 無限大から無限大 -1から1 大きさの指標 値の単位によって大きさが変わる 大きさが0〜1で一目で分かる 計算方法 偏差積の平均 自己共分散を偏差の標準偏差の積で割る 使いどころ データの共通の変動の大きさを評価 データの時間的な関連の強さや方向を見る
この表を見ると、自己共分散は単位に依存しているため値がわかりにくいのに対し、自己相関は数値が規格化されているので比較や解釈が簡単です。
分析で結果を伝えるとき、多くの場合は自己相関の値が使われることが多いです。
自己共分散と自己相関を使い分けるコツと注意点
ここまでで、大まかな違いがわかってきましたね。
分析したいデータや目的によって、この2つは使い分けます。
- 自己共分散は数値の単位や大きさを考慮する必要があるときに使います。たとえば気温(℃)など単位がはっきりした値の変動をみるときです。
- 自己相関はデータの関連の強さやパターンを比べたいときに向いています。単純に相関の強い弱いを見たいならこちらが便利です。
ただし、自己共分散の値は単位によって大きさが変わるため、比較するデータの単位が違う場合は注意が必要です。
自己相関は単位が消えるため、異なるデータ同士の比較も可能ですが、単に強さだけを示していることを覚えておきましょう。
まとめ
・自己共分散はデータの共通変動の大きさを示す
・自己相関は自己共分散を正規化して関連の強さを表す
・単位に注意しながら使い分けよう
これらを意識すると、時系列データやデータ分析の見方がグッと分かりやすくなりますよ!
自己共分散って聞くと難しそうに感じますが、実は「データの動きがどれくらい一緒になっているか」を示す数字です。例えば、あなたが毎日朝ごはんを食べる時間と学校に行く時間がどれくらい一緒に変わるかを考えるとイメージしやすいですよね。自己共分散は数値なので単位に影響されやすいですが、そこが逆に数値の“雰囲気”みたいなものをつかむ手助けになることもあります。だから分析するときは自己共分散の意味をしっかり捉えておくと安心です。