
はじめに
みなさんは、「ひずみゲージ」と「変位計」の違いをご存じでしょうか?
どちらもものの変化を測るための道具ですが、測る対象や仕組みが違います。
この記事では、それぞれの特徴や使い方、違いについて初心者にもわかりやすく説明していきます。
理科や技術の授業、または現場での測定に興味がある人はぜひ参考にしてください。
ひずみゲージとは?
ひずみゲージは物体の表面に貼り付けて、その物体がどれだけ伸びたり縮んだりしたか(ひずみ)を測るセンサーです。
ひずみとは、力が加わって物が変形するときに生じるわずかな長さの変化のこと。
ひずみゲージは薄い金属や半導体でできていて、物体が変形するとゲージの長さも変わります。
この変化により抵抗値が変わるので、その抵抗の変化を使ってひずみ量を数値化します。
用途としては建物の強度チェックや橋などの構造物の安全確認、材料試験などがあります。
非常に小さな変形を高精度に測れるため、工業や研究の現場でよく使われています。
変位計とは?
変位計は物体の表面や位置がどれだけ動いたか(変位)を直接測る道具の総称です。
変位とは位置のずれや移動量のこと。
変位計には色んなタイプがありますが、たとえばレバー式や静電容量式、レーザーを使った非接触式などがあります。
使い方は物体の動きに合わせて変位計を設置し、動いた距離を測定します。
用途は機械の部品の動きの検査や、橋やダムなどの構造物の変形測定など幅広いです。
ひずみゲージが変形を内部的に感知するのに対し、変位計は位置の変化を外部的に直接捉える違いがあります。
ひずみゲージと変位計の違いを比較
これまで説明した内容を以下の表にまとめました。
違いを整理してみましょう。
項目 | ひずみゲージ | 変位計 |
---|---|---|
測定対象 | 物体のひずみ(伸び縮み) | 物体の位置や移動距離 |
測定方法 | 物体表面の抵抗変化を利用 | 接触または非接触で移動量を直接測定 |
感度 | 非常に高く微小な変形も検出可能 | 変位の大きさによるが高精度のものも多い |
設置場所 | 物体表面に貼り付ける | 物体の動く部分の近くに設置 |
用途の違い | 材料の応力解析や微小変形の検出 | 機械部品の動作確認や大きな移動の計測 |
このように、ひずみゲージは物体の内部的な変形を知るためのもので、変位計は物体がどこまで動いたかを測るものという違いがあります。
まとめ
ひずみゲージと変位計は似ているようで「何を測るか」「どう測るか」という点で大きく違います。
ひずみゲージは物体の微小な伸び縮みを抵抗変化から読み取り、
変位計は物体の移動距離やずれを直接測定します。
どちらも工業や研究、建設など様々な現場で重要な役割を果たしており、用途に応じて適切に使い分けることが大切です。
この記事を読んで、両者の違いが少しでもわかっていただけたら嬉しいです。
「ひずみゲージ」って聞くと難しそうですが、実はとっても身近な仕組みなんです。たとえば、橋や建物は外から見ると動いていないように見えても、実は目に見えないくらい微小な伸び縮みをしています。そんな微妙な変形を察知しているのがひずみゲージ。
ひずみゲージは金属線の抵抗が伸び縮みで変わる性質を利用していて、まさに<物の心臓の動きを測る聴診器>のような存在。
だから、橋の安全を守るための“見えないセンサー”としてとても重要なんですよ!