
カットオフ周波数とは何か?
カットオフ周波数とは、電子回路や通信システムでよく使われる言葉で、信号の周波数がどこで減衰し始めるかを示す値です。たとえば、スピーカーやアンプ、フィルター回路などで、特定の周波数より高い音や低い音を弱める役割があります。
具体的には、カットオフ周波数の前後で信号の強さが大きく変わり、一般的にはその周波数の点で出力が入力の約70.7%(-3dB)になるところを指します。
中学生の皆さんに例えるなら、道路の制限速度のようなもの。制限速度(カットオフ周波数)を超えると、それ以上スピードを出せなくなる、つまり信号が抑えられ始めるポイントという意味です。
共振周波数とは何か?
一方、共振周波数は、簡単に言うと回路や物体が特別に強く振動する周波数のことを指します。たとえば、ブランコを同じタイミングで押すと大きく揺れるイメージです。
電子回路ではインダクタとコンデンサが組み合わさった回路(LC回路)が共振する周波数で、信号が最も強く反応しやすくなります。音で言えば、ある特定の音の高さで共鳴して、より大きな音が出る状態です。
自然界の例としては、音叉や楽器の弦が特定の音でよく鳴るのもこの共振の性質によるものです。
カットオフ周波数と共振周波数の違い
この二つの言葉は似ていて混乱しやすいですが、役割も意味も大きく違います。
まず、カットオフ周波数は信号を「制限・減衰」する境目の周波数であり、共振周波数は逆に信号が「増幅・強調」される周波数です。つまり、カットオフ周波数は信号が弱くなるポイント、共振周波数は信号が強くなるポイントと言えます。
また、カットオフ周波数は主にフィルターの動作範囲を決める数値で、共振周波数は回路の性質から決まり、特定周波数での反応の強さを表します。用途も電子機器の設計で全く異なる役割を持っているのです。
違いをまとめた比較表
項目 | カットオフ周波数 | 共振周波数 |
---|---|---|
意味 | 信号が減衰し始める周波数 | 信号が最大に反応・増幅される周波数 |
役割 | 信号の制限(通す・通さないの境界) | 回路や物体の共鳴を起こすポイント |
関連回路 | フィルター回路など | LC回路(共振回路) |
信号の強さ | 減少する | 増加する |
物理的イメージ | ブレーキをかけるポイント | ブランコを押して大きく揺れるポイント |
このように、両者は電子回路の動作理解において非常に重要な概念です。
正しく区別し使いこなすことで、機械や電子機器の性能を上手に引き出せるようになります。
カットオフ周波数の話をするとき、中学生にとっては『信号が急に弱くなり始める』というイメージが一番わかりやすいかもしれません。でも実は、カットオフ周波数はただの境目だけでなく、電子回路設計者にとってはすごく大事な数字です。この数字をもとにフィルターの性能やシステムの特性を調整できるので、まるで料理の味付けの塩梅のような役割を果たします。だから物理の先生が細かく説明するのは、この数字が“どの音や信号を通しやすくするか”を決める重要なポイントだからなんですね。
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