
送電網と配電網の基本的な違いとは?
私たちの生活に欠かせない電気は、発電所から家庭や会社まで複雑なネットワークを通じて届けられています。
このネットワークは大きく分けて送電網と配電網という2つの部分に分かれています。
送電網とは、発電所で作られた高圧の電気を遠く離れた地域へ運ぶための網のことをいいます。電圧が非常に高いため、長距離でも電気を効率よく運ぶことができるのが特徴です。
一方で配電網は、送電網から送られてきた電気を、私たちの住んでいる街や家の中まで届けるための網です。
配電網では電圧を下げて、私たちが安全に家電製品などを使えるようにしています。
つまり、送電網は高圧の電気を長距離運ぶ役割を担い、配電網は電気を安全に分配して利用可能にする役割を持っているのです。
送電網と配電網の具体的な違いを表で比較
では、送電網と配電網の特徴を詳しく比較してみましょう。以下の表をご覧ください。
項目 | 送電網 | 配電網 |
---|---|---|
役割 | 発電所から電力を高圧で遠くまで運ぶ | 電圧を下げて街や家庭に電気を届ける |
電圧の高さ | 非常に高い(数十万ボルト) | 中低圧(数千ボルト〜数百ボルト) |
距離 | 長距離(数十Km〜数百Km) | 短距離(数百メートル〜数Km) |
設備の例 | 高圧鉄塔・送電線 | 電柱・変圧器・配線 |
安全面 | 厳しい管理が必要で立入禁止区域も多い | 家庭や地域に接していて比較的安全だが注意が必要 |
電気を安全に使うための送電網と配電網の役割の重要性
送電網と配電網は、単に電気を届けるだけでなく、安全で安定した電力供給を実現している重要な仕組みです。
送電網では、電気を遠くに運ぶために高い電圧が使われていますが、このままの電圧で家庭に届くと大変危険です。
そこで配電網が登場し、変圧器(へんあつき)で電圧を安全なレベルに下げ、みなさんの家庭や学校、会社で安心して使えるようにしています。
また、配電網は停電時に電気の流れを切り替えたり、故障を調べたりする役割も担っています。
このように送電網と配電網が連携することで、私たちは日常生活で快適に電気を使うことができるのです。
送電網と配電網をつなぐ“変圧器”は、電圧を大きく変える役割をしています。例えば、発電所からは数十万ボルトという非常に高い電圧で送られてきた電気を、変圧器で数百ボルトまでぐっと下げることで、安全にみんなの家まで届けることができるんです。高い電圧で遠くまで送るのは効率よくするためで、安全のために変圧器が欠かせない存在なんですよ。