
PACSと電子カルテの基本的な違いとは?
医療現場でよく使われる「PACS(パックス)」と「電子カルテ」は、それぞれ異なる役割を持つシステムです。
PACS(Picture Archiving and Communication System)は、主に医療画像を保存・管理・共有するためのシステムです。レントゲンやCT、MRIなどの画像をデジタルで扱い、医師が迅速に必要な情報を確認できるようにしています。
一方、電子カルテは患者の診療記録全般をデジタルで管理するシステム。医師の診療内容、検査結果、処方歴などさまざまな情報が統合されています。
このように、PACSは画像に特化し、電子カルテは診療全体を管理しているという点で違いがあります。
PACSと電子カルテの機能比較と病院での活用法
機能面での違いを詳しく見てみると、PACSは画像の保存、閲覧、解析、そしてネットワーク経由での共有に長けています。
画像を見るだけでなく、ズームや拡大、一部を測定する機能も備えています。
その一方、電子カルテは診療履歴の記録、処方箋の発行、検査データの管理、患者情報の統合など多機能です。
病院での使い方としては、
- PACSは放射線技師や専門医が主に使い、画像診断の効率アップに貢献。
- 電子カルテは医師や看護師が患者の全体像を把握し、診療の質を高めるために活用します。
PACSと電子カルテの違いを一目で分かる表でまとめると?
ここで、PACSと電子カルテの違いを分かりやすくまとめた表をご紹介します。
項目 | PACS | 電子カルテ |
---|---|---|
主な役割 | 医療画像の保存・管理・閲覧 | 患者の診療記録全般の管理 |
対象データ | レントゲン・CT・MRIなどの画像 | 診療記録・検査結果・処方歴など |
利用者 | 放射線技師、医師(画像診断専門医) | 医師、看護師、薬剤師など医療スタッフ全般 |
システム機能 | 画像解析や共有、ズーム機能 | 診療履歴記録、処方箋管理、情報統合 |
メリット | 画像診断の精度・効率向上 | 診療の全体像把握と業務の効率化 |
この表を見るだけでも、それぞれ何を目的に作られているのか、どんな場面で使うのかが一目瞭然です。
ピックアップ解説
PACSの“P”は「Picture(画像)」ですが、実はPACSの最大のポイントは画像をただ保存するだけでなく、医療スタッフがどこからでもアクセスできる共有機能にあります。これがあるから、専門医が遠隔地でも患者の画像を確認しアドバイスできるんですよね。今ではクラウド型PACSも普及しつつあり、より便利になっています。医療の現場ではこうしたITの進化がどんどん進んでいるんですよ。
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