
phc杭と鋼管杭とは何か?基礎知識を押さえよう
建物や構造物を支えるための基礎工事で使われる「杭(くい)」には、さまざまな種類があります。
その中でもよく使われるのがphc杭(プレキャストコンクリート杭)と鋼管杭(こうかんくい)です。
それぞれ名前からイメージできるように、素材や作り方が異なり、それによって性能や適用場所も違います。
まずはそれぞれの特徴を理解することが、用途に合った杭を選ぶ第一歩です。
phc杭の特徴とメリット・デメリット
phc杭は「プレキャストコンクリート杭」の略で、工場であらかじめしっかりと作られたコンクリート製の杭です。
現場には完成された杭を運び込んで打ち込むため、品質が安定しやすいのが特徴です。
メリット
- 工場で品質管理されているので強度が安定している
- 腐食に強いので長期間安心して使える
- コンクリート製なので音が出にくく、工事中の騒音が比較的少ない
デメリット
- 重いため運搬や施工に大型機械が必要
- 地盤の硬い場所や変形が多い場所では割れたり折れたりする可能性がある
- 現場の状況に柔軟に対応しにくい
鋼管杭の特徴とメリット・デメリット
鋼管杭は鋼鉄でできた管状の杭で、現場で長さを調整しながら打ち込むことができます。
鋼の強さとしなやかさを持ちつつ、コンクリートに比べて軽いのが特徴です。
メリット
- 軽量なので運搬や施工がしやすい
- 地盤の変動に対してしなやかに対応できる
- 現場の状況に合わせて長さ調整や接合ができる
デメリット
- 鉄なので腐食しやすく、防錆処理が必要
- 騒音や振動が大きくなることがある
- コンクリートに比べて耐久性が劣る場合がある
phc杭と鋼管杭の比較表
項目 | phc杭 | 鋼管杭 |
---|---|---|
素材 | プレキャストコンクリート | 鋼鉄(鉄製パイプ) |
重量 | 重い | 軽い |
施工 | 工場製作、現場で打ち込む | 現場で長さ調整しながら打ち込む |
耐久性 | 腐食に強い、長持ち | 腐食しやすい、防錆処理必要 |
振動・騒音 | 比較的少ない | 大きいことがある |
柔軟性 | 弱い(割れやすい) | 高い(しなる特性がある) |
どんな場合にどちらを選ぶべき?用途別のポイント
建物の種類や地盤の状態によって、phc杭と鋼管杭は使い分けられます。
例えば、腐食の少ない安定した地盤で長期間耐えたい場合はphc杭が適しています。
一方、軟弱な地盤や地震時の揺れに柔軟に対応したい場合、軽量で現場に合わせやすい鋼管杭が適しています。
また、都市部の騒音規制が厳しい場所や工期をできるだけ短縮したい工事では、phc杭が好まれることもあります。
反対に、地盤の深さや形状が変わりやすい場所では鋼管杭の方が施工性に優れています。
これらの特徴をもとに、設計士や工事担当者はそれぞれの現場に最適な杭を選択しています。
phc杭は工場で作られるため品質が安定していますが、その反面重量がかなり重いことをご存知でしたか?重さのせいで運搬や施工の際には大型の機械が必要になり、その管理も大変です。だからこそ、現場の状況や規模に合わせて鋼管杭との併用が検討されることも多いんです。少しだけ“重さ”の裏話を知ると、建設現場の秘密が見えてくるようですね!
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