
物理層とは何か?ネットワークの大切な土台
ネットワークの世界で最も基本となるのが物理層です。物理層はパソコンやスマホといった機器同士をつなぐための、実際のケーブルや電波などの送受信を担当しています。つまり、情報を送り届けるための材料や方法、環境のことですね。
具体的には、ケーブルの種類(例えば光ファイバーや銅線)、電波の周波数、信号の形式や伝送速度を決めています。物理層はデータの中身には関係なく、ただ正しくデータを伝えるための道筋を作っている役割と言えます。
例えば、あなたが家の電話機で話をしているとき、声が電気信号に変わって電話線を通り相手に伝わっていますが、これがまさに物理層のレベルです。
物理層はネットワークのいちばん下の層で、次の層へデータを送る準備を行います。ここがうまく働かないと、どんなに優れた通信技術でも意味がなくなるほど重要です。
論理層とは?データの送受信を整理する頭脳部分
一方、論理層(多くの場合、データリンク層やネットワーク層を指します)は、物理層の上にあってデータの送受信のルールや仕組みを決めています。
たとえば、どうやってデータを分けて送るか、相手が正確に受け取ったかどうかの確認、間違いがあった時の再送要求などを担当します。論理層がなければ、ネットワークの機器は正しく通信ができません。
また、論理層は送るデータをパケット(小さなデータのかたまり)に分割し、それに宛先や発信元の情報をつけて管理します。これによって複雑な通信でも混乱せず、正確に届けられるのです。
わかりやすく言うと、論理層はネットワークのルールブックや交通整理の役割を持っています。これがあるから私たちはインターネットで動画を見たり、ゲームで遊んだりできるわけです。
物理層と論理層の違いを表にまとめて比較
それでは物理層と論理層を簡単な表で比較してみましょう。
項目 | 物理層 | 論理層 |
---|---|---|
役割 | データを伝送するための物理的な方法や媒体を提供 | データの送受信ルールや管理を行う |
主な要素 | ケーブル、電波、信号の形式、伝送速度 | データの分割、誤り検出、アドレス管理、フロー制御 |
扱うもの | ビット(0や1の信号) | パケット(データのまとまり) |
ネットワーク階層での位置 | 最下層(第1層) | データリンク層(第2層)やネットワーク層(第3層) |
例 | 光ファイバーケーブル、Wi-Fiの電波 | MACアドレス、IPアドレス、ルーティング |
このように物理層はモノや物理的な環境に関わり、論理層はデータの取り扱いや流れのルールに関係しています。
どちらもネットワークがスムーズに機能するためには欠かせない層です。それぞれの役割をしっかり理解することが、ネットワークの仕組みを知る第一歩になります。
物理層というと難しく感じますが、身の回りのケーブルやWi-Fiの電波もすべて物理層の一部です。面白いのは、昔は電話回線がまさに物理層の主役だったこと。今では無線が増えましたが、無線通信も電波という物理的な信号で伝わるので、物理層なしにはどんなネットワークも成立しません。つまり、私たちがスマホで動画を見られるのも地味だけどこの物理層のおかげなんです。