中嶋悟
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bashとzshの違いを徹底解説！初心者にも分かる使い分けのコツ
bashとzshはどちらもコマンドラインの世界を動かす“シェル”です。日常の操作は似ていても、実は設計思想や機能の出し方が違います。bashは長い歴史と高い互換性を重視する一方で、zshは補完や拡張機能、プロフィールのカスタマイズを中心に設計されています。スクリプト用途の安定性を重視する人はbashを選ぶことが多く、日常の作業を楽にする工夫を優先する人はzshを選ぶ傾向があります。この記事では、歴史と基本、コマンド補完、設定ファイル、日常の使い方の4つの観点から、両者の違いを分かりやすく整理します。
それぞれの特徴を知ることで、自分に合った使い方が見つかります。
歴史と基本の違いをちょっと丁寧に
Bashは1989年ごろに開発され、Bourne Shellの後継として広く広まりました。名前の由来は Blyth・Bourneの組み合わせで、Bourne Again Shellの略です。長年にわたりUnix系OSの標準シェルとして根付いており、スクリプトの互換性と信頼性を重視します。
これに対してzshは1990年代後半に登場し、bashの機能を取り込みつつも、補完機能の強化・テーマのカスタマイズ・プロンプトの柔軟性を大きな柱としています。1つの設定ファイルで多くの挙動を変えられる点も大きな魅力です。
この歴史を理解すると、なぜ設定ファイルの場所や挙動が違うのか、どういう場面でどちらを選ぶべきかが見えてきます。
コマンド補完と拡張機能の違い
コマンド補完の仕組みは両者の大きな違いのひとつです。b ashは基本的な補完が搭載されていますが、zshは補完機能がデフォルトで非常に強力です。zshには強力な補完システムがあり、ファイル名の補完・オプションの候補表示・コマンド名の補完などを細かく設定できます。さらにOh My Zshのようなプラグインフレームワークを使えば、補完だけでなくテーマや挙動まで一度に整えることができます。反対にbashは補完パッケージ（bash-completionなど）を追加することで機能を拡張しますが、セットアップは若干複雑になることがあります。
表でざっくり比較してみると分かりやすいでしょう。以下の表は機能の大枠を並べたものです。
このように、補完の強さと拡張性の点でzshが優位な場面が多い一方、既存のスクリプト互換性を優先するならbashを使い続けるのが現実的です。
移行を考える際は、まず自分の作業スタイルとよく使うツールの補完要件を整理しておくと良いでしょう。
設定ファイルと互換性のポイント
bashとzshでは設定ファイルの場所と構成が異なります。bashは通常 ~/.bashrc や ~/.bash_profile、/etc/profile などを使います。これらのファイルにはエイリアス・環境変数・関数などを記述します。対してzshは ~/.zshrc が中心です。ここにパスの追加や補完設定、プラグインの呼び出しをまとめます。
互換性の観点では、bashで書かれたスクリプトは多数の場面でそのまま動くことが多いですが、zsh特有の機能を前提とした記述はそのままでは動かないことがあります。移行や併用を考える場合は、まず実行環境での挙動を確認し、必要に応じてシェバン（#!/usr/bin/env bash など）やエイリアスの扱いを見直しましょう。
設定ファイルを分けて管理する「分離運用」もおすすめです。
日常の使い方と選び方の結論
結論としては、日常の作業を楽にしたい人は zsh、既存スクリプトの互換性を維持したい人は bashを選ぶのが現実的です。以下のポイントを押さえると選びやすくなります。
- すでに多くのチュートリアルがbash中心なら、移行コストを考えてbashを選ぶと安心。
- 新しい環境で初めて触る場合や、補完・テーマを楽しみたい場合はzshがおすすめ。
- エイリアスや関数の移行を素早く進めたい場合は、設定ファイルを個別に管理すると良い。
- 作業ノートや学習用のテンプレを作るなら、zshの補完機能を活かして扱いやすく整えると効率が上がる。
最後に、両方を並行して使う“デュアル環境”も実践的です。必要に応じて切り替える癖をつけておくと、将来的な環境変更にも強くなります。
koneta: ある日の放課後、友だちとノートPCを開いて“コマンド補完って何がそんなに違うの？”と話していた。彼はbashしか使ったことがなく、私は最近zshをいじっている最中だった。私はさっとデモを見せながら、補完の細かさとプラグインの力の違いを言葉で伝えた。最初は“補完がすごいだけ？”と思われたが、実際に使ってみると、補完の候補が一瞬で現れ、オプションの組み合わせまで示してくれる。結局、補完は日常の“選択疲れ”を減らす道具だと二人で納得した。補完が強いのはzshの長所であり、bashの安定性と互換性が必要な現場では使い分けがベストだ、という結論に至った。
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