
シールド工法と推進工法の基本的な違いとは?
シールド工法と推進工法は、どちらも地下にトンネルや配管を作るための工法ですが、使い方や目的に違いがあります。
シールド工法は、トンネルを掘り進める際に、周囲の地盤をしっかり守りながら掘削機(シールドマシン)を使って進めていきます。この方法は主に地下鉄や道路トンネルなど、大きな空間を安定的に作る場合に適しています。
一方、推進工法は、パイプを地中に押し込んで進めていく方法で、水道管やガス管の敷設など、比較的小さい断面の管を敷設する際にに多く使われます。掘削ではなくパイプを押し込むイメージです。
このように、両者の違いは“掘削主体か推進主体か”にありますが、工事の規模や目的により選ばれています。
シールド工法の特徴とメリット・デメリット
特徴:シールド工法は、専用の機械で地中を掘り進めるため、地下空間を大きく確保できます。詳細な掘削と同時に壁となる覆工の設置が進むため、地盤の崩壊リスクが低いことが大きな特徴です。
メリット:
- 大規模な地下トンネルに向く
- 地中の施工が安全かつ安定的
- 地下水の流れをコントロールしやすい
デメリット:
- 設備投資が高額で工事費も高い
- 施工期間が長くなる傾向がある
- 狭い場所では施工が困難
推進工法の特徴とメリット・デメリット
特徴:推進工法は、パイプ自体を押し込むことで配管を地下に設置します。掘削機を使わずに施工でき、主に配管の敷設に適しています。施工速度が比較的速く、工事期間の短縮が可能です。
メリット:
- 費用が比較的安い
- 狭い場所でも比較的施工可能
- 掘削量が少なく環境負荷が少なめ
デメリット:
- 大きな空間確保には向かない
- 地盤条件によっては施工が困難
- 配管径に制限がある
シールド工法と推進工法の比較表
項目 | シールド工法 | 推進工法 |
---|---|---|
主な用途 | 地下鉄・道路トンネル | 水道管・ガス管など配管敷設 |
施工方法 | 掘削しながら覆工設置 | パイプを押し込む |
施工規模 | 大きな断面も可能 | 比較的小さい断面向け |
コスト | 高め | 比較的安価 |
施工期間 | 長い傾向 | 短め |
適用地盤 | 比較的安定した地盤 | 地盤の状況に左右されやすい |
まとめ:用途に合わせた選択が大切
シールド工法と推進工法は、それぞれ異なる特徴やメリット・デメリットを持っています。そのため工事の目的や地盤の状態、施工場所の条件などをよく考慮することが重要です。
大きなトンネルを掘りたい場合はシールド工法
配管の敷設を速く、安く行いたい場合は推進工法が一般的に適しています。
この違いをしっかり理解して施工方法を選ぶことが、安心・安全な地下工事の成功につながります。
シールド工法のシールドマシンは、まるで巨大な機械のカタツムリのように地中を進みます。
この機械の先端には、土を掘りながら支える盾(シールド)が付いていて、地盤の崩れを防ぎながらトンネルを掘り進めることができます。
この盾の働きがあるからこそ、安全にトンネルを作れるんですね。
ちなみに、シールドマシンは数百トンもの重さがあり、その動きを正確に制御するには高度な技術が必要です。
見た目は怖そうですが、地下のヒーロー的存在なんですよ!
前の記事: « 光ケーブルと通信ケーブルは何が違う?分かりやすく解説!
次の記事: 見逃し注意!「埋蔵」と「埋設」の違いをわかりやすく解説します »