
供給量と発電量とは?基本の意味を理解しよう
私たちが日常的に使う電気に関して、「供給量」と「発電量」という言葉を耳にすることがあります。どちらも電気の量を示す言葉ですが、意味は少し違います。まずはそれぞれが何を指すのか、中学生でもわかりやすく説明します。
「発電量」とは、文字通り発電所で実際に作られた電気の総量を指します。例えば、火力発電所や水力発電所、風力発電所などで発電される電気の量がこれにあたります。単位は通常、キロワット時(kWh)やメガワット時(MWh)で表されます。
一方で「供給量」は、発電された電気を発電所から送電し、実際に消費者や企業などに届けられ、使われた電気の量を指します。つまり、発電量のうち、様々なロスや送電時の消費電力などを差し引いた、手元に届く電気の量ということです。
このように、両者は似ているようで役割や示す範囲が異なる言葉なのです。
供給量と発電量の違いを表でわかりやすく比較
ここでは供給量と発電量の違いをまとめた表を示し、理解を深めましょう。
項目 | 発電量 | 供給量 |
---|---|---|
意味 | 発電所で実際に作られた電気の総量 | 電気が消費者に届き、使われた量 |
単位 | kWh、MWhなど | kWh、MWhなど(消費電力量とも関連) |
範囲 | 発電段階のみ | 発電~送電~消費までの範囲 |
特徴 | 発電設備の性能や量に依存 | 実際の使用量を示し、ロスを差し引く |
ロス | 含まれる(ロス前の生産量) | ロスを差し引いたもの |
このように表で見ると、発電量は生産された電気の「元の数値」であり、供給量は実際に使われた「手元に届いた量」ということがよくわかります。
なぜ発電量と供給量は異なるの?その理由と影響
このふたつの数字が違う理由を簡単にまとめると、電気を送る過程や設備でどうしても電気が失われるからです。
発電した電気は送電線を通って、家庭や工場などの電力消費地まで運ばれますが、その途中で送電ロスと呼ばれる電気の損失が発生します。これは長距離を送電するほど増えやすく、例えば電線の抵抗で熱に変わってしまうことが主な原因です。
また、変圧器と呼ばれる設備を通すときにも多少のロスがありますし、送電システム自体の維持管理でも少しずつ電力を消費しています。
さらに、発電量がすべて消費に使われるわけではなく、予備力や蓄電されたり、電力系統の安定調整のために調整されることもあります。
こうした理由から、発電量は供給量よりも若干多い数字になることが一般的です。
例えば、日本全体でみると、年間の発電量が約1000億kWhでも、実際に供給され消費された量はそれより少なくなります。
この違いを正しく理解しておくことは、電力の効率改善や環境負荷の低減にもつながる重要なポイントです。
まとめ:供給量と発電量を正しく理解して電気の仕組みを知ろう
ここまで説明したように、「発電量」は発電所で生み出された電気の総量、「供給量」はその電気が送られ消費者に使われた量です。
電気は発電されてから手元に届くまでにロスが発生し、そのロスが両者の差となっています。
この違いを知ることは、電気の流れや電力の効率性を考えるうえで非常に重要です。
今後、省エネや再生可能エネルギーの利用が進む中で、この基本的な理解はますます必要になるでしょう。
電気の仕組みを身近に感じることで、皆さんも日々の電気の使い方を考えるきっかけになることを願っています。
「供給量」という言葉を深掘りすると、実は単に『送られた電気の量』だけでなく、電気が安全・安定して供給されているかも示しています。例えば、電力会社は急に需要が増えたときにも、供給量を調整して停電を防ぐ役割があり、この調整力も供給量の重要な側面です。だから供給量には、ただの数値以上の“電気の安定運用”が隠れているんですよね。意外と面白いですね。
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