
行政処分と行政指導って何?基本を押さえよう
行政処分と行政指導は、どちらも行政機関が行う働きかけですが、目的や方法が大きく違います。まずはそれぞれの意味を理解しましょう。
行政処分は法律や条例に基づき、違反や問題があった場合に強制的に何らかの措置を取ることです。たとえば、営業停止や免許取り消しなどがこれにあたります。
一方の行政指導は、違反の有無にかかわらず行政が企業や個人に対して助言や勧告を行う行為です。罰則はなく、改善を促すための柔らかい対応と言えます。
このように、強制力のある処分か、任意の指導かで区別できます。
行政処分と行政指導の違いを詳しく比較
どう違うのかを分かりやすく表でまとめました。
ポイント | 行政処分 | 行政指導 |
---|---|---|
性質 | 強制力があり、義務的 | 強制力はなく任意 |
対象 | 違反や法令違反がある場合 | 違反がなくても行われる場合がある |
内容 | 免許取消し、営業停止などの制裁 | 改善勧告や助言、指示 |
法的根拠 | 必ず法律などに基づく | 法律に基づく場合もあるが、慣行も多い |
異議申し立ての有無 | 可能であり手続きがある | 原則的に異議申し立てはない |
これを見ると、行政処分は裁判で争うことが可能な強い措置であるのに対し、行政指導は話し合いを通じて解決を目指す柔軟な対応だとわかります。
実際の場面での使われ方と注意点
たとえば飲食店が衛生基準を満たしていないとわかった場合、まず行政指導で改善を促します。これが効果がないと判断されると、行政処分として営業停止になることもあります。
また、行政指導は強制力がないため、無視されることもあります。そのため行政は行政指導の際、記録や証拠をしっかり残すことが重要です。これが後の行政処分の根拠になることもあります。
一方、行政処分を受けた場合は不服申立てや裁判で争うことができます。このように、どの段階でどちらの対応になるかはケースによって異なってきます。
ピックアップ解説
行政指導は強制力がないため、企業や個人が必ずしも従わなくても良いのですが、実は無視するのはあまり得策ではありません。なぜなら、行政指導が記録として残ることで、改善が見られない場合は次に強い行政処分が下される可能性が高くなるからです。ですので、行政指導は一種の‟警告”だと思って、丁寧に対応することが重要なんですよ。
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