
塑性と粘性の基本的な違いとは?
身の回りの物質は、力を加えられると形が変わることがあります。
この変形には塑性(そせい)と粘性(ねんせい)という2つの大きな種類があります。
この2つは似ているようでまったく違う性質を持つので、まずは基本的な違いから見ていきましょう。
塑性とは、力を加えた後も形が変わったまま元に戻らない性質のことを指します。粘土や金属の変形などがこの例です。
一方で粘性は、材料がゆっくりと流れるように変形し、その形を変えた後も元に戻ることがある性質です。はちみつやシロップのように時間をかけて流れる液体が代表例です。
この違いは、材料が力を受けたときにどのように動くか、そして力をやめた後どうなるかに大きく関係しています。
塑性は永久変形となり、粘性は時間依存の変形がキーワードとなります。
この基本を押さえることが、次に説明する応用的な話に役立ちます。
塑性と粘性が関わる物質の具体例と生活での見分け方
では、実際に私たちの生活の中で塑性と粘性の性質を持つ物質はどんなものがあるのでしょうか。
たとえば、塑性がよくわかるのは粘土や金属です。
粘土は手で力を加えると簡単に形が変わり、その形をキープできます。
金属も熱したり力を加えたりすると形が変わって元には戻りません。
これが塑性変形です。
反対に粘性を持つものは、はちみつやシロップなどの液体です。
これらは時間をかけてゆっくり流れますが、その変形は元に戻りやすい性質があります。
水と比べて流れにくいのは粘度(ねんど)が高いということで、この粘性が原因です。
このように塑性は固体が中心で粘性は液体に多いという見分け方ができます。
さらに実験や観察で、力を加えた後に変形が戻るかどうかをチェックすると、どちらの性質か判断しやすいです。
塑性と粘性の違いをまとめた表と理解のポイント
ここまででご紹介した塑性と粘性の違いを、一つの表にまとめました。 みなさん、粘性って聞くと食べ物のドロッとした感じをイメージしがちですよね。たとえば、はちみつがゆっくり流れるのは粘性が高いから。 前の記事:
« 引っ張り強さと降伏点の違いをわかりやすく解説!材料の強さを知ろう
この表を見ると、何がどのように違うのかが一目で分かります。性質 塑性 粘性 変形のタイプ 永久変形(元に戻らない) 流動的変形(時間をかけて変形し、戻ることもある) 主な材料例 粘土、金属(熱加工時) はちみつ、シロップ、油脂 状態の違い 主に固体 主に液体 ble>特徴 力を加えると形が変わり、そのまま保つ 力を加えるとゆっくりと流れる
時間とともに形が変わる
塑性と粘性はどちらも物質の変形のしくみを理解するうえでとても重要な言葉です。
これらを知ることで、材料の扱い方、製品の品質管理、自然現象の説明などに役立ちます。
難しく感じるかもしれませんが、生活の中のものを観察してみることでイメージが沸きやすくなります。
例えば、あなたの持っている文房具や食べ物にどちらの性質があるかを考えてみるのも面白いでしょう。
塑性は「変形しても元に戻らない固体の性質」、粘性は「時間とともに流れ動く液体に近い性質」と覚えるとわかりやすいですよ。
でも、粘性はただの『ねばねば』じゃなくて、科学的には物質が時間の経過とともにどう動くかを示す性質なんです。
実はこの粘性の高さによって、川の流れ方や地震の揺れ方まで影響を受けているんですよ。
なので、粘性は私たちの身の回りの現象を理解するときにとても大事なポイントなんです。
たった一つの言葉でも、深く知ると世界が広がりますね。
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