
キュビズムとは何か?その特徴と歴史背景
キュビズムは20世紀初頭に生まれた美術の流派で、ピカソやブラックが代表的な画家として知られています。キュビズムの最大の特徴は、物や人物を立体的に、そして複数の視点から同時に描くことです。これまでの絵画が一つの角度から対象を表現していたのに対し、キュビズムは物の形を分解し、複数の面や角度を組み合わせて表現します。
この考え方は、現実をそのまま写すだけでなく、より深く物の本質や立体感を探ろうとする試みでした。1907年頃に始まり、すぐに多くの芸術家に影響を与えました。キュビズムは「分析的キュビズム」と「総合的キュビズム」という二つの段階に分けられ、初期は形を細かく分解し抽象的に描き、後期は色彩や形の再構成に重点を置きました。
ピュリスムとは?キュビズムとの関係と違い
ピュリスムはキュビズムの影響を受けながらも、1918年頃にフランスで始まった美術の流派です。キュビズムの複雑で抽象的な表現に対し、ピュリスムはよりシンプルで調和のとれた形や色彩を重視しました。画家のル・コルビュジエとオザンファンが中心となり、純粋さ(Purity)を追求したことからその名前がついています。
ピュリスムは工業製品のデザインのように、明確で無駄のない美しさを目指しました。複雑に分解するのではなく、基礎的で安定した幾何学的な形を用いて、物の本質を洗練して表現します。また、キュビズムが見せる多視点の混雑した印象に対し、整然として落ち着いた構成が特徴です。色彩も控えめで明確な色調にまとめられています。
キュビズムとピュリスムの比較表
最期に:どちらも美術史における重要な潮流
キュビズムとピュリスムはお互いに影響しあいながらも、表現の方向性が異なります。キュビズムは複雑で多視点の革新的な表現を突き詰め、一方ピュリスムは秩序と純粋でシンプルな美を求めました。どちらも20世紀の芸術に大きな変革をもたらし、現代美術の基盤となっています。
これらの違いを理解することで、美術作品に込められた思想や技術の深さに気づくことができるでしょう。ぜひ実際の作品を見ながら、両者の違いに注目してみてください。
キュビズムの絵画は、一見するとバラバラに見えるかもしれませんが、実はそれぞれの面が異なる視点から対象を描いているんです。つまり、一枚の絵の中に『正面』『横』『斜め』など複数方向から見た姿が混ざっていると考えると面白いですよ。これがキュビズムの独特な魅力であり、見る人に新しい発見をもたらします。こうした視点の多さは、絵を見るたびに違った印象を与えてくれるため飽きが来ません。
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