
抽象クラスと親クラスとは?基本の理解から始めよう
プログラミングを学ぶときに、抽象クラスや親クラスという言葉をよく耳にします。でも、実際に何が違うのか、まだよくわからない人も多いはずです。
まずは簡単にそれぞれの意味を説明します。
親クラス(スーパークラスとも呼ばれ)は、別のクラス(子クラス)が共通で使う基本の機能をまとめたクラスのことです。親クラスは、具体的な機能を持っていることが多く、そのまま使うこともできます。
一方、抽象クラスは、もっと特別で、設計だけの役割を持ち、自分自身では使えないクラスです。抽象クラスには、実際に動作しない未完成のメソッド(抽象メソッド)を定義し、子クラスで具体的な処理を実装することを強制します。
つまり、親クラスは「基本の教科書」、抽象クラスは「ルールブック」のようなイメージです。
それでは、これらの違いをもっと詳しく見ていきましょう。
抽象クラスと親クラスの違いを表で比較!設計のポイントも説明
表を使って、抽象クラスと親クラスの違いをシンプルにまとめてみます。
ポイント | 親クラス | 抽象クラス |
---|---|---|
目的 | 共通の機能をまとめて再利用 | 設計のための枠組みを作り、具体的実装を子クラスに丸投げ |
インスタンス化 | できる(具体的なクラス) | できない(未完成なクラス) |
メソッドの実装 | ほぼ全て実装あり | 抽象メソッド(未実装)を持つことがある |
役割 | 機能の継承と共通化 | 共通ルールの強制と設計の補助 |
使いどころ | 実際の動作をまとめたい時 | 多様な子クラスへ必ず守るルールを導入したい時 |
このように親クラスはすぐに使う機能を持ち、抽象クラスは設計の指針やルールを示す役割があります。
例えばゲームのキャラクターを考える時、「動く」「攻撃する」など共通の動作を親クラスにまとめます。しかし、「どう動くか」「どう攻撃するか」はそれぞれのキャラクターで違うこともあります。
そこで、抽象クラスを使い、「動く」「攻撃する」というメソッドの設計だけ決めておき、各キャラクターのクラスで具体的に作る、これが抽象クラスの便利な使い方です。
初心者でもわかる!抽象クラスと親クラスの使い方と設計のポイント
抽象クラスと親クラスは、似ているようで明確な違いもあります。では、実際にどう使い分ければ良いでしょうか?
まず、親クラスは共通する機能のまとまりで、すぐに使いたいものと考えてください。例えば「動物」という親クラスがあれば、「歩く」「鳴く」といった基本の動作が入っていて、すぐ動かせます。
しかし、「鳴く」はタヌキとトラで全然違うので、それをはっきりさせたい場合は抽象クラスにして、鳴くメソッドは子クラスで実装してもらうようにします。
また、抽象クラスでは必ず子クラスで実装しなければならないメソッド(抽象メソッド)を定めるので、ルール作りに最適です。
つまり、
- 使う準備ができている動きをまとめたい=親クラス
- 必ず決めておきたいルールや設計を作りたい=抽象クラス
プログラムの設計をする時は、あとからでもわかりやすく拡張しやすい仕組みを作ることが大切です。
まとめると、親クラスは具体的な機能を共有し、抽象クラスは設計ルールを強制する役割を持っているのです。
この違いを理解すれば、より良いプログラム設計ができるようになりますよ!
抽象クラスの面白いところは、何と自分自身では使えないクラスだという点です。
これは、一種の『設計図』のようなもので、例えばマンションの間取り図みたいなもの。
間取り図だけでは住めませんが、どう部屋が作られるかは決まっているので、そこから具体的な部屋ができるわけです。
プログラミングでの抽象クラスも同じで、『こういう機能は絶対に作ってね!』と子クラスに約束させるための枠組みとして使われます。
この考え方を覚えておくと、設計がとても楽しくなりますよ!
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