
デシベルとフォンとは何か?
音の大きさや強さを表すときによく使われる言葉にデシベルとフォンがあります。
どちらも音の大きさを表す単位として使われますが、実は意味や使い方が違います。
まずはそれぞれの用語が何を指しているのかを確認しましょう。
デシベル(dB)は音の圧力のレベルを対数的に表した単位です。
音の大きさは空気の振動の圧力の強さによって決まりますが、この圧力は非常に幅広いので
それを見やすく整理するために対数の単位であるデシベルが使われます。
一方、フォン(phon)は人間が感じる音の大きさの大きさ(聴感上の強さ)を表す単位で、
これは音の周波数によって人の感じ方が変わるため、その特性を踏まえて測った値です。
つまり、デシベルは物理的な音の強さの単位で、フォンは人間の感じる大きさの単位だと言えます。
この違いを理解することが、これから説明する内容の基本になります。
デシベルとフォンの違いを具体例で解説
では、具体的にデシベルとフォンの違いを見てみましょう。
例えば、同じ1000Hzの純音であれば、デシベルの値とフォンの値はほぼ同じになります。
これは、中間周波数帯の音は人間の聴覚に対し標準的な感度を持つためです。
しかし、音の周波数が低すぎたり高すぎたりすると、同じデシベルの圧力レベルでも、フォンの値は異なります。
低い周波数の音や高い周波数の音は、人の耳が感じにくいため、同じ物理的な音圧を持っていても感じる大きさが小さくなるのです。
このことをわかりやすく示した表を以下に作成しました。
周波数(Hz) | 音圧レベル (dB) | 聴感値 (phon) | 説明 |
---|---|---|---|
1000 | 40 | 40 | 基準周波数で同じ値 |
100 | 40 | 30 | 低音で人は小さく感じる |
5000 | 40 | 50 | 高音で人は少し大きく感じる |
この表から分かるように、同じデシベルであっても、人が感じる大きさは周波数によって大きく異なることがあります。
この差を埋めるためにフォンの単位が必要となっています。
デシベルとフォンを使い分ける場面とは?
それぞれの単位は使う場面や目的によって使い分けられます。
- デシベル:主に音響装置の性能評価や騒音測定などの物理的測定に使われます。
例えば、スピーカーの音の出力や工場の騒音レベルを数字で示すときに用いられます。 - フォン:一方で、音の大きさに対する人の感じ方を評価したいときに使われます。
例えば、難聴の検査や音環境の快適さの評価、音質評価など
心理的・感覚的な評価に適した単位です。
このように、デシベルは機械的な測定、フォンは人間の感覚を考えた評価に使い分けられていることを理解しましょう。
まとめ:違いを押さえて音の世界をもっと深く理解しよう
音の大きさを表すデシベルとフォンの違いは、
デシベルが音の物理的な圧力の大きさを対数で示す単位であるのに対し、
フォンは人間の耳が感じる大きさを周波数の違いも考慮して示す単位だという点です。
音に関わる仕事や研究、趣味で音楽や録音を扱うとき、この違いを知っておくと
より正確で人間の感覚に合った音の理解ができます。
ぜひこの機会に、デシベルとフォンの違いを意識して
音の世界をより深く学んでみてくださいね!
デシベル(dB)は音の物理的な圧力の大きさを示す対数単位ですが、実はこの対数の使い方が面白いポイントです。
なぜなら、音圧は非常に幅広い範囲で変化するため、そのまま数字で表すと非常に大きな値になってしまいます。
そこでログ(対数)を使うことで、人の耳が感じる音の大きさの増え方に近い感覚で音の強さを表現できるんです。
また音が10倍の圧力になると、デシベルは約20増えるので、音の感覚ともある程度対応しているのがポイントですね。
このしくみが音響計測の基本になっていると考えると、ちょっと不思議で面白いです!
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