
供試材と試験片、それぞれの意味とは?
材料の強さや性質を調べるときに使われる言葉として、「供試材(きょうしざい)」と「試験片(しけんへん)」があります。この2つは似ているようで、実は少し違う意味を持っています。
まず、供試材とは試験を行うために用意された材料のことです。例えば、金属やプラスチックの板や棒など、実験や試験をする元の素材のことを指します。
一方、試験片は、その供試材から規定の形や大きさに加工されたものです。つまり、供試材を特定のサイズや形状に切り出したものが試験片です。
このように、供試材は元の材料全体、試験片はその一部を指す言葉だと言えます。
供試材と試験片の違いをわかりやすく比較
ここで供試材と試験片の違いを簡単な表でまとめてみましょう。
項目 | 供試材 | 試験片 |
---|---|---|
意味 | 試験に使う元の材料全体 | 供試材を規定の形に加工したもの |
形状 | 大きな塊や板など原材料のまま | 決まった寸法や形状にカットされている |
使用目的 | 試験前の準備段階の材料 | 実際の試験や分析に使用される |
例 | 金属棒、樹脂板 | 引張試験用の棒状や厚さに切ったもの |
この表からわかるように、試験片は供試材の一部で形状を整えたものと言えます。
試験片は、機械的試験や化学分析、熱処理の実験など、様々な評価で使われます。
そのため、試験片は試験ごとに決められた形状や大きさの基準があり、それに合わせて正確に加工されます。
一方、供試材は試験前の準備材料として保管されていたり、使用直前に試験片へ加工されたりします。
よくある混同と注意点
実際には、試験をするときに「供試材」と「試験片」の両方の言葉が使われることが多いですが、
間違って同じ意味として扱われることもあります。
しかし正しくは、供試材は原料や材料の形状のままの状態で、試験片は試験用に切り出した完成形なのです。
特に材料試験の現場では、どの段階のものを指しているのか正確に把握しておくことがとても重要です。
理由としては、試験結果の信頼性やデータの比較が影響を受けるからです。
例えば、試験片の大きさや形がバラバラでは、公平な評価ができません。
そのため、供試材から試験片を作るときには、規格に合わせて厳密に加工することが求められます。
まとめ
供試材と試験片の違いは、試験の前後の段階の違いにあります。
・供試材=試験に使う材料全体(元材料や原料状態)
・試験片=そこから決められた形に加工された材料(試験実施用)
中学生でも理解しやすいように言うと、
供試材は「砂場のお山全体」で、試験片は「お山から形を整えて作った砂のお城のようなもの」とイメージするとわかりやすいでしょう。
これを知っていると、材料試験の仕組みや工程をより深く理解できますし、実験の信頼性向上にもつながります。
ぜひ知識として覚えておきましょう!
『試験片』についてちょっと面白い話をすると、同じ材料から作っても、加工の仕方や形状によって試験の結果が大きく変わることがあるんです。
例えば、金属の試験片を薄く切るか厚く切るかで、その金属の強度や硬さの測定値が違ってくることがあります。
これは、試験片の形状が応力のかかり方や熱の入り方に影響を与えるからです。
つまり、正確な試験結果を得るには、試験片をきちんと規定のサイズや形状に加工することがとても重要なんですね。
だから試験片を作る技術者の腕も実はとても大切なんですよ!
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