
非破壊検査と非破壊試験って何?基本から解説!
私たちの周りには、安全を守るためにさまざまな検査や試験が行われています。その中でも「非破壊検査」と「非破壊試験」は、ものを壊さずに内部の状態や欠陥を調べる技術として重要です。
では、この2つはどう違うのでしょうか?どちらも似たような意味に感じますが、実はそれぞれ目的や範囲、使われ方が少し異なります。非破壊検査とは、製品や部品の品質や安全性を確かめるために、壊さずに調べる方法全般のことです。一方、非破壊試験は、その検査の中で特に試験的に調べる技術や手法を指す場合が多いのです。簡単にいうと、非破壊検査は“調べること全般”、非破壊試験は“調べるための特別なテスト”というイメージです。
これから詳しく両者の特徴や使い分け、実際の手法について見ていきましょう。
非破壊検査と非破壊試験の違いを具体的に比較!
まずは、非破壊検査と非破壊試験の違いを表で見てみましょう。分かりやすくポイントごとに比べることで、それぞれの役割や範囲がはっきりします。
ポイント | 非破壊検査 | 非破壊試験 |
---|---|---|
意味 | 壊さずに物を調べる全ての検査方法 | 非破壊検査の中で特定の試験・テスト |
範囲 | 広い(検査全般) | 狭い(特定の試験手段) |
目的 | 製品や構造物の安全性・品質確認 | 欠陥や性質の特定・評価 |
例 | 製品検査やメンテナンス検査 | 超音波試験・放射線試験など |
このように非破壊検査は製品や設備の安全性を守る広い範囲の活動であり、非破壊試験はその中で特定の技術を使い欠陥などを詳しく調べる作業と考えられます。
専門の現場では、この違いを理解して適切に対応することが大切です。
非破壊検査や非破壊試験の具体的な手法と特徴
では、非破壊検査や非破壊試験に使われる具体的な方法を紹介します。中でも代表的なものは次の通りです。
- 超音波試験(UT)
高い周波数の音波を使って内部の欠陥や厚さを測定します。音の反射で異常を検知するので、精度が高く、厚い材料でも調べられます。 - 放射線試験(RT)
X線やガンマ線を使って内部の欠陥を写真のように映し出します。飛行機や橋など大型構造物の検査でよく使われます。 - 磁粉探傷試験(MT)
磁気をかけて鉄などの表面や表面近くのきずを検出します。表面の細かいクラックなどが見つけやすいです。 - 浸透探傷試験(PT)
液体の浸透液を表面に塗り、欠陥部分に浸透した液が染み出す性質を利用して表面のきずを見つけます。
これらは非破壊試験の代表例であり、状況に応じて使い分けられます。
いずれも物を壊さずに検査ができるため、製品を無駄にせず安全確認できます。
また非破壊検査には試験以外にも外観検査や目視検査も含まれます。つまり、非破壊検査は「安全を確認するためのあらゆる壊さない検査」の総称と考えることができます。
「超音波試験」は非破壊試験の中でも特に面白い技術です。高い音波を物質に当てて、その反響から内部の欠陥を見つけるのですが、これはまるでコウモリが音波を使って周囲を探る仕組みに似ています。
たとえば、飛行機の部品や橋の鉄骨の中まで目に見えない傷を見つけられるんです。
技術が進化して、音の反射のパターンをコンピューターで解析して欠陥の大きさや位置までかなり正確に分かるようになりました。
未来ではさらに進化し、ドローンやロボットを使って危険な場所も安全に検査できるようになるかもしれませんね。
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