
押出法ポリスチレンフォームと硬質ウレタンフォームとは?基本の特徴を解説
まずは、押出法ポリスチレンフォーム(XPS)と硬質ウレタンフォームが何かを知りましょう。どちらも建築や断熱に使われる断熱材の一種ですが、それぞれ作り方や性質が異なります。
押出法ポリスチレンフォームは、ポリスチレン樹脂を溶かして細かい気泡を作りながら板状に押し出したフォームです。均一で細かい気泡が特徴で、防水性や強度に優れています。
一方、硬質ウレタンフォームはウレタン樹脂を主原料とし、発泡剤で発泡させて硬いフォーム状にしたものです。非常に高い断熱性能を持ち、軽くて施工性にも優れています。どちらも断熱材として人気ですが、その特徴を理解することが選び方のポイントです。
押出法ポリスチレンフォームの特徴とメリット・デメリット
押出法ポリスチレンフォーム(XPS)は、細かく均一な閉じた孔(気泡)構造を持ちます。これにより高い防水性と耐圧性能を実現しているのが大きな特徴です。
メリットとしては:
- 水に強く吸水率が低いため、湿気の多い場所でも劣化しにくい
- 高い耐圧強度があり、床下や土間コンクリートの下など荷重のかかる場所に使いやすい
- 寸法安定性が良いので長期間の断熱性能維持が期待できる
デメリットとしては:
- 硬めで割れやすい性質があり、切断や施工時に注意が必要
- 燃えると有害なガスが発生するため、防火対策が必要
- 価格がウレタンフォームに比べてやや高め
硬質ウレタンフォームの特徴とメリット・デメリット
硬質ウレタンフォームは、独特な発泡構造で非常に高い断熱性能を持つため、住宅の壁や屋根、冷蔵庫の断熱など幅広く使われています。
メリットとしては:
- 断熱性能が押出法ポリスチレンフォームより高い(熱伝導率が低い)
- 軽量で柔軟性があり、施工しやすい
- スプレーなどによる現場発泡が可能で、複雑な形状にも対応可能
デメリットとしては:
- 水に弱く、吸水率が高いので浸水には注意が必要
- 紫外線に弱く、露出面は保護が必要
- 施工後の寸法変化や収縮が起こることがある
押出法ポリスチレンフォームと硬質ウレタンフォームの違いまとめ表
項目 | 押出法ポリスチレンフォーム(XPS) | 硬質ウレタンフォーム |
---|---|---|
主な原料 | ポリスチレン樹脂 | ウレタン樹脂 |
断熱性能 | 高い(熱伝導率約0.03~0.04 W/mK) | 非常に高い(熱伝導率約0.02~0.03 W/mK) |
吸水性 | 低い(防水性あり) | 高い(水に弱い) |
強度・耐久性 | 高い(耐圧強度良好) | 中程度(軽量で柔軟) |
施工性 | やや硬く割れやすい | 軽くて加工・施工しやすい |
価格 | やや高め | 比較的安価 |
まとめ:用途に合わせて選ぶ!
押出法ポリスチレンフォームは、耐水性や強度が必要な場所に最適です。例えば床下断熱や基礎断熱、地面に近い場所など湿気の多い環境に強みがあります。
硬質ウレタンフォームは、断熱性能が最も求められる壁や屋根、複雑な形状の断熱施工に向いています。ただし水に弱いため、雨水や湿気対策はしっかり必要です。
このように、それぞれの断熱材の強み・弱みを理解して、建物の環境や用途に合わせて選ぶことが重要です。
ぜひこの記事を参考に、断熱材選びのポイントを押さえてみてください!
押出法ポリスチレンフォーム(XPS)の特徴のひとつに"細かく均一な閉じた気泡構造"がありますが、これが断熱効果だけでなく、湿気に強い理由でもあります。湿気が入りにくいため、地面に近い場所や床下で使われることが多いのです。実はこの構造、スポンジのようにパッと見えるけど中身は水をほとんど吸わない秘密兵器だったんですね。日常生活で見かける断熱材の選び方に関わる小さなヒントとも言えます。ぜひ知っておきたいポイントです。
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