
争議行為と組合活動の基本的な違いについて
労働組合が行う活動にはさまざまなものがありますが、その中でもよく耳にするのが「争議行為」と「組合活動」という言葉です。
これらは似ていますが、実は意味も目的も大きく異なります。
今回は労働組合の活動の中核を成すこの二つについて、中学生にも分かりやすく丁寧に解説していきます。
まず、「争議行為」とは雇用者(会社など)に対して労働条件の改善や要求を実現するために争う具体的な行動を指します。
一方、「組合活動」は組合員同士の交流や団結を深めるための普段の活動や、交渉の準備・話し合いなど幅広い意味を持ちます。
つまり「争議行為」は組合活動の中の一部の強いアクションで、「組合活動」はもっと日常的で幅広い活動全般を指すと言えます。
争議行為とは?その特徴と種類
争議行為は労働条件の改善を目的に、具体的な行動を起こすことをいいます。
いわゆるストライキ(仕事を止める行為)や仕事の遅延・遅刻、作業拒否、会社の設備・物品の使用停止などがあります。
これらは雇用者に対し要求内容を実現させるための圧力をかける重要な労力であり、法律上も正当な権利として認められています。ただし、ルールもあり、不当な争議行為や違法な行為は認められません。
たとえば争議行為をする際には、事前に組合内で話し合い、決議を行い、会社に通告するなど手順を踏む必要があります。
これらは組合が団結して意見を表現し、会社に働きかけるための強力な手段といえます。
組合活動とは?日常における労働組合の役割
一方で組合活動は、争議行為のような強い主張だけでなく、日常的に労働者が団結し、働きやすい環境を作るために行う活動を含みます。
具体的には組合員同士の交流会や学習会、労働環境改善のためのアンケート調査や団体交渉の準備、会社との話し合いの場を設けることが挙げられます。
つまり、争議行為を行う前段階として対話や協力の促進、問題点の整理を行う重要な活動です。
また、組合活動は労働者の権利を守り、職場全体の利益を追求するために不可欠なもの。コミュニケーションを深めることで、働きやすい職場づくりに貢献しています。
このように組合活動は争議行為よりも日常的で穏やかな活動を指し、その背景には根本的な団結と共助の精神があります。
争議行為と組合活動の違いを表で比較!
まとめ:争議行為も組合活動も労働者の大切な権利の一つ
争議行為は労働条件の改善をめざした強い圧力をかけるための行動であり、労働組合の武器といえます。
しかし乱用や無秩序な行動は問題となるため、きちんとした手続きが必要です。
組合活動はもっと広範かつ日常的な参加型の活動で、団結と協力により職場環境をよくしていくことが目標です。
両者は労働者がよりよい働き方を実現するために必要不可欠なものであり、違いを理解することで正しい労働組合の使い方が見えてきます。
この記事を読んで皆さんも労働者の権利についてより興味を持ち、理解を深めていただければ幸いです。
争議行為の中で最も知られているのはストライキですが、実はストライキは最終手段として位置づけられているんです。なぜなら、ストライキは仕事を止めてしまうため、会社やお客様にも大きな影響を与えます。なので、労働組合ではまず話し合いや交渉を重ねて問題を解決しようと努めます。こうした段階を経てなお話がまとまらない時に、初めて争議行為のひとつとしてストライキが行われるんですよ。ストライキは労働者の権利の一つですが、慎重に使うことが大事なポイントなんです。
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