
履行利益とは何か?基本を押さえよう
まずは履行利益について説明します。履行利益とは、契約が正しく履行された場合に得られる利益のことを指します。たとえば、あなたが100万円の商品を売る契約をしたとします。その商品がちゃんと届けば100万円の売上が入るわけですが、相手が契約に違反して商品を引き渡さなかった場合、あなたはその100万円の利益を得られないことになります。この得られるはずだった利益、これが履行利益です。
法律の世界では、契約違反があったときに相手に損害賠償を求める際、この履行利益を基準に計算することが多いです。つまり、約束通りに契約が実行された場合の利益を守るために支払われるお金のことですね。
履行利益は、契約が履行されるべきだった状態を基準に評価されます。なので、実際に失われた損害だけでなく、契約が成功して得られた利益を補償するのがポイントです。
逸失利益とは何か?忘れがちな損害に注意!
一方、逸失利益とは、契約違反や事故などが原因で将来にわたって失われる利益のことを指します。たとえば、仕事を受けて報酬を得るはずだったのに、相手の不履行で仕事ができず、継続的に収入を得ることができなくなったような場合です。
逸失利益は、『将来にわたって本来得られたはずの利益』という意味で使われます。すぐに目に見える損害ではなく、継続的・将来的に無くなってしまった利益を算定するため、証明が難しいこともあります。
たとえば交通事故で働けなくなり、将来の収入が減ってしまったケースでも逸失利益が問題になります。履行利益が契約の利益に関わるのに対し、逸失利益はより広く将来の利益損失に関係する点が特徴です。
履行利益と逸失利益の違いを表でわかりやすく比較
このように、履行利益と逸失利益は目的も内容も異なる点が多いため、損害賠償請求をするときにはどちらの利益損害かを正しく理解することが重要です。
契約の世界では、まず履行利益を基に損害が計算されますが、更に将来に影響がでるケースでは逸失利益の計算も必要になることがあります。
ぜひ、この違いを押さえて、損害賠償の基本を理解しましょう!
逸失利益って聞くとちょっと難しく感じますよね。でも実は、将来の仕事や収入が『なくなってしまう』という意味なんです。これを計算するのは案外大変。どうやって『将来失うお金』を数字にするかは、過去の収入実績や将来の見通しをしっかり見ないといけないんです。
たとえば、バンドが突然活動できなくなってしまった場合の逸失利益を考えると、未来のライブツアーやグッズ売り上げが無くなった分をどう換算するか想像してみてください。法律の世界ではこうした想像も計算に必要なので、プロの専門家がじっくり計算することが多いんですよ。
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