
スクールカウンセラーと教育相談員とは?まずは基本を知ろう
学校生活のなかで困ったことがあったとき、相談できる大切な存在として「スクールカウンセラー」と「教育相談員」がいます。しかし、この二つの職業は似ているように見えて、仕事の内容や役割、求められる資格には違いがあります。まずはそれぞれの概要を理解することが大切です。
スクールカウンセラーは、子どもたちの心のケアや問題解決を専門に行う心理の専門家です。一方、教育相談員は、学校や地域の教育に関わるさまざまな問題について相談を受け、助言や解決のサポートを行う役割を持っています。
このように、両者とも相談を受ける存在ですが、スクールカウンセラーは心理面の専門職として心の健康を支え、教育相談員は教育現場全体の問題に幅広く関わる役割を持ちます。
役割や仕事内容の違い:スクールカウンセラーは心理面の専門家、教育相談員は総合的サポーター
スクールカウンセラーと教育相談員は同じ「相談役」ですが、仕事内容には明確な違いがあります。
スクールカウンセラーの主な役割
・児童や生徒の心の問題やストレスの相談
・カウンセリングを通じた心理支援
・教師や保護者への心理的な助言と支援
スクールカウンセラーは心理学の専門知識をもち、深刻な悩みやトラウマ、発達障害などの問題に対して、個別にじっくり時間をかけてカウンセリングを行います。
教育相談員の主な役割
・学校生活や学習面など全般的な相談受付
・教育環境や人間関係の調整のサポート
・福祉や児童相談所など他機関との連携調整
教育相談員は学校全体や地域の教育の課題を見ながら、問題解決のために関係者と協力したり、制度や支援を案内したりするのが仕事です。
資格や選ばれ方の違い:スクールカウンセラーは専門資格、教育相談員は多様な背景で活躍
両者の違いは資格や人材の選び方にもあらわれています。
スクールカウンセラーは、心理学の専門資格(臨床心理士や公認心理師など)を持つことがほとんどです。そのため、深い心理的知識をもち、専門的なカウンセリングができることが求められます。学校への配置は教育委員会の委託によることが多く、臨床経験が重視されます。
教育相談員は、公立学校で勤務する教員経験者や福祉・心理分野の専門家など、多様なバックグラウンドをもつ人がなります。教員免許を持つことが一般的ですが、必須ではない場合もあります。また、地域の教育相談センターや学校現場に配置され、ケースによって多機関と連携する役割が強いです。
スクールカウンセラー | 教育相談員 | |
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主な役割 | 児童・生徒の心理支援 心の問題のカウンセリング | 学校・地域の教育に関わる相談 問題解決の支援と調整 |
資格 | 臨床心理士や公認心理師など心理系資格が必要 | 教員経験者や福祉・心理の専門家など多様 |
配置 | 教育委員会の委託で学校に常駐 | 学校や教育相談センターなど |