
所得収支とは何か?
所得収支とは、国が海外との間でやり取りする所得の出入りを表す経済用語です。つまり、外国から受け取る給料や配当金、利子などの収入と、外国へ支払うこれらの所得を差し引いたものを指します。
ポイントは、モノの売り買いではなく、サービスや投資の利益に関わるお金の動きであることです。たとえば、日本に住む人が海外に投資して得た配当金は日本の所得収支にプラスされます。逆に、外国人が日本国内に投資して得た利益を国外に持ち出す場合はマイナスとなります。
所得収支は国の経済がどれくらい稼いでいるかを知る指標の一つであり、経済の健康状態を見るのに役立ちます。
貿易収支とは何か?
一方、貿易収支は国同士の間でモノ(商品)がどれだけ輸出され、どれだけ輸入されたかの差を表します。
簡単に言うと、貿易収支は売ったモノの値段から買ったモノの値段を引いた数です。輸出が多ければ貿易収支は黒字(プラス)、輸入が多ければ赤字(マイナス)になります。
たとえば、日本は自動車や電子機器を海外に売ることが多く、その分、貿易収支がプラスになることがあります。ただし、石油などの資源を多く輸入しているため、逆に赤字になってしまうこともあります。貿易収支は国の「どれだけ物を売り買いしているか」を示す重要な指標で、経済のバランスを測るのに使われます。
所得収支と貿易収支の違いとは?
この二つの収支の大きな違いは、「所得収支はサービスや投資から生まれるお金の動き」、「貿易収支はモノの売買によるお金の動き」という点です。
下記の表で違いをまとめましたので、ご覧ください。
項目 | 所得収支 | 貿易収支 |
---|---|---|
主な内容 | 給料、配当、利子などの所得収支 サービスの収支も含む | モノ(商品の)輸出入による収支 |
含まれないもの | 物の売買収支(輸出入) | サービスや所得収支 |
経済のどの面を示すか | 資産運用やサービスからの収益 | 物の貿易のバランス |
プラスになる理由 | 海外からの所得が多い場合 | 輸出が輸入を上回る場合 |
マイナスになる理由 | 海外に支払う所得が多い場合 | 輸入が輸出を上回る場合 |
つまり、どちらも国際的なお金の動きを示しますが、対象が異なるため違う情報を提供します。
また、両方を合わせたものを「経常収支」と呼び、国の経済状況を総合的に示す重要な指標です。
今回は『所得収支』についてちょっと深掘りしてみましょう。所得収支は給料や配当、利子といった収入や支出を含みますが、実はサービスの収支も関わっています。たとえば、外国で働く日本人の給料や海外で得た特許の使用料も含まれるんです。こうしてみると、所得収支は単なる投資利益の数字以上に、国際的なサービスや労働のやり取りも反映している、経済の幅広い活動を映し出す鏡のようなものと言えます。これが、所得収支を理解するときに見落としがちなポイントですよね。ぜひ経済ニュースで耳にしたときに思い出してみてください!
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