
営繕工事と建築工事って何が違うの?
まずは「営繕工事」と「建築工事」が何を指しているのか、基本から押さえていきましょう。
営繕工事とは、建物を使い続けるために必要な修理やメンテナンスのことです。例えば、壁のひび割れをなおしたり、屋根の雨漏りを直したりします。建物の寿命を延ばし、安全で快適に使える状態を保つために行います。
一方、建築工事は新しく建物を建てたり、解体したりする大きな作業のことです。住宅やビル、学校など、新築工事が代表的です。基礎から壁、屋根まで一から作り上げることが特徴です。
簡単に言うと、営繕工事は「建物を直す・守る仕事」、建築工事は「建物を作る・変える仕事」と覚えるとわかりやすいです。
具体的な違いを知ろう!作業内容や規模・期間で比較
では、営繕工事と建築工事の違いを具体的に見ていきましょう。
作業内容の違い
営繕工事は修理や補修が中心です。壁の塗り替え、窓ガラスの交換、水道管の修理など、小さな修理から部分的な改修まで幅広い仕事があります。
建築工事は新築や増改築、大規模なリフォームがメインです。基礎工事や柱・梁の設置、屋根の形成など、建物の骨組みから仕上げまですべて含みます。
規模や期間の違い
営繕工事は比較的短期間で終わる小規模な仕事が多く、数日から数週間程度で終わるケースが多いです。
建築工事は数か月から1年以上かかる大規模な工事もあります。設計から施工、完成まで工程が多いため時間も長くかかるのが特徴です。
項目 | 営繕工事 | 建築工事 |
---|---|---|
作業内容 | 修理・補修・メンテナンス | 新築・増改築・大規模リフォーム |
規模 | 小規模 | 中~大規模 |
期間 | 数日~数週間 | 数か月~1年以上 |
なぜ違いを知ることが大切?工事の目的や費用の面から解説
工事の目的の違い
営繕工事の目的は「建物の現状維持と安全性の確保」です。使っている建物が壊れないように直しながら長く利用するために必要です。
一方、建築工事の目的は「新しい建物の創造や大幅な改善」です。新築だけでなく、「家を大きくしたい」「間取りを変えたい」といった大きな変更も含まれます。
費用面の違い
営繕工事は部分的な修理が多いため、建築工事に比べると費用が小さくなることが多いです。
建築工事は建物全体や大部分の工事となるため、費用も大きくなります。設計や材料、作業工程が多いので高額になるのは当然です。
以上の理由から、どちらの工事が必要か目的や予算、工事の内容によって選ばれることになります。
「営繕工事」という言葉、普段あまり聞かないかもしれませんね。じつはこの言葉は、建物を長持ちさせるためのメンテナンスに関する工事のことを指しています。一般の人にとっては、「建築工事」が新築やリフォームのイメージが強く、営繕は裏方の仕事かもしれません。けれど、病院や学校、駅など公共の場所では、営繕工事がとても重要で、安全で快適な環境を保つ役割を担っています。住む人の安心感を支える、縁の下の力持ち的な存在ですね。
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