
ヤング率とは何か?材料の硬さを示す基本的な指標
ヤング率は、材料の硬さやしなやかさを表す物理量の一つです。
簡単に言うと、物質がどれくらい伸びにくいかを示しています。
例えば、ゴムは伸びやすくてヤング率が小さいですが、金属の鋼は硬くて伸びにくいのでヤング率が大きいです。
ヤング率は「弾性係数」とも呼ばれ、材料が力を加えられたときにどの程度変形するかを数値化したものです。
単位はパスカル(Pa)で表し、具体的にはストレス(力/面積)をストレイン(変形率)で割った値です。
例えば、もし100Nの力で10cmの棒を引っ張って、棒が0.1cm伸びた場合、ヤング率はその力と伸びの関係から計算できます。
このようにヤング率は材料の「硬さ」をはかる重要な指標であり、構造物の設計などでよく使われます。
引張強さとは?材料が壊れるまで耐えられる限界の強さ
引張強さは、材料が引っ張られたときに、壊れる(切れる)まで耐えられる最大の力の強さです。
ヤング率が変形しにくさを表しているのに対し、引張強さはどのくらいの力まで耐えられるかを示しています。
たとえば、細くて硬いけれどすぐ切れてしまう材料もあれば、少し伸びるけど切れにくい材料もあります。
引張強さは材料の「強度」を表し、こちらも単位はパスカル(Pa)で表され、材料が断裂する直前にかかっている最大の応力を意味します。
引張強さが大きいほど、強く引っ張っても壊れにくい材料ということになります。
ヤング率と引張強さの違いをわかりやすく比べてみる
ヤング率と引張強さはどちらも材料の性質を表していますが、意味が全く違います。
ヤング率は変形のしにくさ、引張強さは壊れにくさを示すものです。
つまり、ヤング率が高くても引張強さが低いものもありますし、その逆も存在します。
例えば、硬くてあまり伸びないガラスはヤング率が高いですが、衝撃に弱くて壊れやすいため引張強さがそれほど高くありません。
反対に、鉄筋コンクリートの鉄筋はヤング率も引張強さも高いので、伸びにくく壊れにくい特徴があります。
以下に表でまとめます。
鋼は大きい
鋼は高い
まとめると、ヤング率は材料の硬さや伸びにくさを指し、引張強さは材料が壊れずに耐えられる最大の力を表します。
どちらも材料の性質を判断するために重要ですが、目的に応じて使い分ける必要があります。
皆さんも身近なもので、伸びにくさと壊れにくさをイメージしながら考えてみると理解が進みますよ。
「ヤング率」という言葉は、普段あまり聞かないかもしれませんが、実は私たちの身の回りの素材がどれくらい硬いかを測るすごく大事な指標なんです。例えばスプリングのバネやスマホの画面を支える金属など、どれだけ伸び縮みするかを知ることで、安全に使うことができます。単純に硬いかどうかだけでなく、変形のしやすさを数値で表したものなので、ものづくりの世界ではとっても重宝されています。ちょっと理科の実験みたいで面白いですよね!