
シーケンス図とは何か?基本をやさしく解説
プログラミングやシステム開発の現場でよく使われるシーケンス図は、登場する参加者(オブジェクトや役割)がどうやってメッセージを送り合って動くかを時系列で表す図です。
例えば、オンラインでの注文システムでは、お客さんが注文を入れ、その注文がシステムを通じてキッチンへ届き、料理が準備されてお客さんに渡るまでの流れを表すことができます。
シーケンス図では、横に並んだ参加者の名前が書かれたラインに沿って、上から下へ時間の流れと共に矢印でやり取りが描かれていきます。
これにより、誰がどのタイミングでどんな動きをしているかが明確になり、システムの動きを理解しやすくしてくれます。
わかりやすい特徴としては、
- 登場人物やシステムの役割がはっきり示されている
- メッセージや操作の順番(時間の流れ)が重要視されている
- 相互のやり取りが中心
タイミングチャートとは?時間と状態の変化をグラフ化
一方、タイミングチャートは物事の時間変化や状態変化をグラフのように表すものです。
たとえば、電子機器の回路設計の場面では、スイッチがオンになったら一定時間後にランプが点灯し、また別の信号が変わるタイミングをグラフで示します。
タイミングチャートは縦軸に状態や信号の名前を、横軸に時間をとり、状態がいつ変わったかを線やバーで表現します。
このため、時間の細かい変化を見たいときや、複数の信号の状態変化を比較したいときに便利です。
特徴としては、
- 状態や信号の時間変化を示す
- 複数の信号の時間的な関係がわかりやすい
- 主に技術的な時間調整や性能チェックで使われる
シーケンス図とタイミングチャートの違いを表で比較
項目 | シーケンス図 | タイミングチャート |
---|---|---|
目的 | 登場者間のメッセージの流れを表す | 状態や信号の時間変化を表す |
縦軸 | 時間の流れ(上から下に進む) | 状態・信号名など |
横軸 | 登場者(オブジェクト) | 時間 |
使われる場面 | システムの動作理解や設計 | 回路設計や詳細な時間分析 |
表現方法 | 矢印のやり取りでメッセージの流れを描く | 波形や棒線で状態の変化を示す |
まとめ:シーケンス図とタイミングチャートを使い分けよう
このようにシーケンス図は「誰が何をいつ行うか」を順番に追いたい時に便利です。一方で、タイミングチャートは「信号や状態が時間に沿ってどう変わるか」を厳密に把握したい時に使うのが最適です。
システムを作るときには両方を適切に使うことで、設計ミスを減らしわかりやすい資料を作ることができます。
ぜひこの違いを理解して、エンジニアリングやシステム開発に役立ててくださいね!
タイミングチャートの面白いところは、その時間の刻みの細かさにあります。例えば電子回路の設計では、ナノ秒(10億分の1秒)単位の信号の切り替えも見る必要があるんです。
そうした超高速の時間変化をグラフで見られるのは、人間の目には直接見えない「時間の微細な動き」を理解する手助けになります。
だから、タイミングチャートは単なる図以上に、目に見えない世界を映し出す「技術者の顕微鏡」みたいな役割なんですよ。