
DockerとWSLとは?基本を押さえよう
最近、プログラミングや開発環境でよく耳にする「Docker」と「WSL」。これらはどちらもパソコンで使う技術ですが、役割や目的は全く異なります。
まず、Dockerはアプリケーションを動かすための「コンテナ」という仕組みを提供するツールです。コンテナはソフトウェアを動かすために必要な設定やライブラリをまとめており、どんな環境でも動かせるのが大きな特徴です。
一方のWSL(Windows Subsystem for Linux)は、Windowsの中でLinuxを動かせる機能です。つまり、WindowsのパソコンでLinuxのプログラムを直接使えるようにする仕組みなんです。
この二つは一見似たように見えますが、使われる目的や機能は違います。まずはその違いを理解しましょう。
Dockerの特徴と使い道
Dockerは、ソフトウェアの動作環境ごとパッケージ化し、どのパソコンでも同じように動かせるのが最大の特徴です。例えば、友達に自分の作ったアプリを渡す時、Dockerのコンテナにまとめておけば、友達のパソコンでもすぐに動かせます。
Dockerは「コンテナ仮想化」と呼ばれ、軽量で高速に動作します。サーバー運用や開発現場で広く使われていて、複数の環境を一台のマシンでまとめて管理できるため、効率的な開発が可能です。
特徴を簡単にまとめると次の通りです。
- アプリケーションと依存関係をまとめる
- 軽量で高速
- 環境一致が簡単にできる
- 主に開発や運用に便利
WSLの特徴と使い道
WSLはWindows 10以降のパソコンで使える機能で、LinuxのコマンドやプログラムをWindows上で直接動かせるようにしたものです。
これまではLinuxを使うには別のパソコンが必要だったり、仮想マシンを起動する必要がありましたが、WSLならその手間がかからず、Windowsを使いながらLinuxの便利なツールを使えます。
プログラミングやサーバー開発にも役立ちますが、Dockerのようにアプリの配布や環境の切り替えを目的とはしていません。
特徴をまとめると次の通りです。
- Windows内でLinux環境を使える
- 仮想マシンより軽い
- Linuxの学習や開発に便利
- 環境を分けるのには不向き
DockerとWSLの違いを表で比較
ポイント | Docker | WSL |
---|---|---|
目的 | アプリや環境のコンテナ化 | Windows上でLinux利用 |
特徴 | 軽量で高速なコンテナ仮想化 | Windows内の軽量なLinuxサブシステム |
使い方 | 複数環境の切り替えや配布 | Linuxコマンドやツールの実行 |
適している用途 | 開発・テスト・本番運用 | Linux学習や開発補助 |
どっちを使うべき?目的別の選び方
もしあなたがプログラムを作って、色々なパソコンやサーバーで同じ環境を再現したいなら、Dockerが最適です。環境の違いで起きるトラブルを減らせるので、多くのエンジニアに使われています。
一方、WindowsでLinuxのツールを使いたかったり、Linuxの勉強をしたい場合は、WSLがおすすめです。本物のLinuxを使うのに近い感覚で操作でき、Windowsの便利さもそのまま活用できます。
つまり、Dockerは環境分離や配布向け、WSLはWindows内でのLinux活用向けと理解するとわかりやすいでしょう。
今回はDockerとWSLの違いについて紹介しましたが、中でもWSLは「Windows上でLinuxが動く!」と聞くと不思議に感じるかもしれません。なぜなら通常、異なるOSは直接動けないからです。WSLはWindowsの中に特別な『橋渡し』の仕組みを作り、Linuxのプログラムが直接Windowsの機能を使えるようにしているんです。だから仮想マシンと違い、軽くて起動も速いんですね。こうした技術が進んで、私たちのパソコンはどんどん便利になっているんですよ。
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