
他職種連携と多職種連携の基本的な意味とは?
医療や福祉などさまざまな現場でよく使われる言葉に「他職種連携」と「多職種連携」があります。どちらも複数の職種が協力し合うことを指していますが、意味や使い方には微妙な違いがあります。
まず「他職種連携」は、自分の職種を中心にして、別の職種と連携を取ることを意味します。例えば、看護師が医師やリハビリ職と連携する場合など、主に自分の職種から見た連携を強調します。
一方で「多職種連携」は、複数のさまざまな職種が互いに対等な立場で協力しあうことを表します。医療チームや福祉チームなど、複数の職種が集まって協議、計画を練る場面で使われる言葉です。
他職種連携と多職種連携の違いをわかりやすく比較!
この2つの言葉を詳しく比較すると、役割やイメージの違いがはっきりします。以下に主な違いをまとめました。
ポイント | 他職種連携 | 多職種連携 |
---|---|---|
立場の焦点 | 自分の職種視点が中心 | すべての職種が対等な関係 |
連携の形 | 個別的・必要に応じた連携 | チーム全体で協議・連携 |
用途の例 | 日常の業務連絡や指示 | 治療計画やケアプランの作成 |
特徴 | 役割分担がはっきりしやすい | 協働や情報共有を重視 |
現場での活用例と注意点
実際の医療や福祉の現場では、「他職種連携」も「多職種連携」もどちらも重要で、目的や状況に応じて使い分けられています。
例えば、患者さんへのケアの方針を決める際には多職種連携で全員が意見を出し合って計画を立てます。しかし、日々の業務では他職種連携で、看護師から医師への報告やリハビリ職との相談が行われます。
どちらの連携もコミュニケーションが円滑であることが大切です。誤解を防ぐために、相手の立場や役割を理解し尊重する態度を持つことが重要だと言えます。
また、多職種連携では情報共有や会議の頻度・方法が課題になることもあり、ITツールの活用やルール作りが求められています。
「多職種連携」という言葉を聞くと、つい大きなチームや会議を思い浮かべがちですが、実はそれぞれの職種が持つ異なる専門性や考え方をどうまとめるかが難しさのポイントです。たとえば医療チームで薬剤師やソーシャルワーカーも加わると、それぞれの専門用語や文化が違うので、話し合いがスムーズに進むためにはお互いの理解が必要です。こうした壁を乗り越えて全員が協力できると、患者さんにとって最良のケアが実現できますね。